Ofuri long novels | ナノ




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次の日、西広が学校に来た。


「えっ!!西広来たのか!!」

7組で花井が叫んだ。
その瞬間にクラスの視線のが花井に向けられ、花井は少し恥ずかしそうに、知らせを持ってきた栄口に向きなおした。


「う、うん!さっき教室にいたから…。」


栄口は苦笑したまま、クラスの視線に恥ずかしそうに下を向く。


「よかったね〜ずっと風邪だったんでしょ?」


花井の隣でニコニコと笑う水谷。


「うん…でも風邪にしては長かったね。西広、大丈夫かな…」

「さあ、どうだろうな。まあ西広が来てくれて助かった。監督も、心配してたし。」

「だよね、西広が長期間休むとか珍しい、てかビックリ。」

「ホントそれ!!西広、あんなに頑張ってんのに、神様は酷いね〜、なあ阿部。」


すると水谷は、花井の斜め後ろにいる阿部に振った。
阿部は机に肘をつき、数学の教科書を開いたまま、窓の外を見つめていた。
そして、数拍の間のあとに、「ああ。」と一言だけ呟いた。


「はぁ〜阿部って冷たいよね〜。だから、三橋にもビビられるんだよ。」

「うるせぇ、クソレ。」

「花井ぃ〜阿部が怖い〜!!」


「…はあ。」と花井は呆れた溜め息をついた。


「はあ...水谷、少し黙れ...」

「花井まで酷っ!」

「あと阿部、もう少し気の使えた言葉言えねぇのか?西広のこと心配だっただろ?」


花井は水谷に対して呆れた目で見たあとに、阿部に視線を移す。
阿部は花井を一瞥し、少し眉を潜めた。


「…うっせぇよ」


と、軽く花井を睨みつけて席を立つ。
そして。教室から出ていった。


「…なんか、最近の阿部って機嫌悪いよね。」


栄口は、使用者のいなくなった阿部の机を見つめて呟いた。
水谷は「…あはは」と、顔を引き攣らせて笑っていた。


「つか本当に阿部…何か最近機嫌悪いな。何でか知ってるか?」


花井の言葉に水谷と栄口は顔を合わせた。
そして、二人同時に花井に言った。


「「知らない。」」




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