Ofuri long novels | ナノ
15
「・・・西広、花井。」
背後から静かなトーンの声がした。
二人は肩を震わせて、振り返った。
阿部。
「何、二人でコソコソ話してんだよ。」
「えっ・・・あ・・・」
花井は言葉を詰まらせた。
何か言おうとしても、言葉が出なかった。驚きで、だ。
「あ?」
「いや、花井に明日の英語のテストで聞きたいことあったんだ。」
「英語のテスト?」
西広が言葉を詰まらした花井の隣から声を出した。
「明日あるんだ、てか、阿部たちもあるだろ?」
「ああ、あれか。」
「あれで、どこが出ると思うって聞いてたんだ。」
「ふーん、そうか。」
「ああ。」
阿部は眉間にしわを寄せて、西広を軽く睨んだ、ように見えた。
目線は西広から花井に移した。
「花井、大丈夫かよ。動揺しすぎ。」
「だってよ・・・いきなり後ろから声かけられたらビビるだろ。」
「そうか?まあいいや・・・西広。」
「ん?」
「放課後、話あるからちょっと残れるか?」
花井は西広を見つめた。
すると、西広の喉仏が上下した。
「・・・うん、わかった。」
「じゃあ、よろしく。」
そう言って、踵を帰した。
すると、新しい足音が響いた。
足音の主は、三橋だった。
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