Ofuri long novels | ナノ




14




「ったく、おめぇら暇だなぁ...」

がやがやとした空間に呆れた阿部の声がみんなの耳に届いた。

「なんだよー阿部ぇ!!
キョーミねぇーの?」

田島は阿部の肩を叩いた。
叩かれた肩を手で軽く払う仕種をして、田島を見つめた。






「興味が無いわけじゃねぇよ?
ただ...俺にとったら全く面白い話じゃないからな。」





そう言って、田島に感情のない笑顔を浮かべて見せた。

田島は一瞬「えっ?」と、頭の上にハテナマークが浮かんだ。
しかし、田島は一瞬無表情になってから再び笑顔を浮かべ直した。

「え〜!!ほんっと、阿部って三橋に冷てぇーなっ!!!」とまた肩を叩きながら笑っていた。

他のメンバーも田島に釣られて笑い出した。





「花井。」


「何だよ、西広。」


「・・・何か、一瞬・・・一瞬だよ?・・・が、怖かった・・・。」


「えっ・・・」


花井は、西広の発言に呆気をとられた。そして、西広を見つめた。

西広は、ユニホームを着ながら、他の部員に聞こえないように小さく声を殺した。


「最近さ...怖いんだ...」


「何?」


聞き返し、阿部の顔を横目で見た。
しかし、いつもと変わらない、めんどくさそうに田島を見つめる垂れ目。


「別に怖くない、つか、いつも通りだろ?」


「違うよ。」


西広は小さな声ながら、はっきりと強調して言った。


「・・・三橋を・・・見てる時・・・」


「三橋を?それはいつものことじゃねーの?」


「違うっ・・・練習中じゃないんだ・・・この間、三橋がいなくなった時の・・・・・・」





[ 15/39 ]
[*prev] [next#]
[bkm]
←back
←top



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -