Ofuri long novels | ナノ
09
翌日。
朝練に向かっていた三橋。
(昨日の、あ、べくん...怖かった...何でだろう...。あと、見られてたなんて...)
また寒気が背中を走った。
友達として好きだった阿部に恐怖を感じる。
何で...だろう...。
そんなことを考えながら、グラウンドにもうすぐ着くときに、背後から声がした。
「三橋ぃ〜!」
振り向くと、田島が輝いた笑顔で走ってきた。
「あっ田、島くん...お、は ようっ!」
「おーはーよー三橋ぃー!!」
「田 島くん、朝から元気、だね。」
「にひひ!!
だってよー朝って気持ちいいじゃん?」
「そ、だねっ!...」
田島との会話では、昨日の事を忘れていた。
明るく話してくれる田島の空気は、とても周りを楽しくする。
そんな田島は、三橋にとって大事な存在の一人だった。
今日の練習の話や、今日のお弁当の話をしているとグラウンドに着いた。
グラウンドでは、もうすでに着替える人たちがグラウンド整備をしている。
その中に、阿部もいた。
「ちわーすっ!!!」
田島の元気な挨拶に、全員が振り向いた。
「ちわーす。
二人さっさと着替えてこいよ。」
キャプテンの花井が二人に声をかけた。
すると、田島が花井に絡みにいった。
「ハゲ〜」と田島が花井に言うと走って逃げ、花井は顔を真っ赤にしながら田島のあとを追い掛けた。
そして、そんな二人に全員が呆れながら笑っていた。
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