盲目なわたしたち
「って、フラれたのかよ!!あはははは!」
鈴木の笑い声がこんなにも嫌な気分になるだなんて。
佐藤も笑いを堪えようと耐えている。
「いや、毎回言われているから慣れてるんだけど…まっさかあんな大声で。」
「周りの生徒とか、後輩くんが叫んだ後すごい目でこっち見てきてたもん!俺すごく恥ずかしかった!」
「…てゆーか、あれは全て佐藤が元凶だろ…」
「はははっ!は、腹が…ひぃ、はは…朝から腹痛いッ…!」
「鈴木…」
すると、まわりの奴らも鈴木の様子を見て「何の話ー?」と湧いてきた。
鈴木は笑いを抑えながら、「こ、これは、ひっ言、言えないっはははは!!!」と、最高にツボっていた。
「えー気になるなー」と野次がうるさかった。
佐藤も「また話すって!今は俺らが話せない!あははは!」
と、最高に嫌なやつらに見える2人だった。
あの時。
「俺は…あなたが……嫌いだッ!!!」
と叫んだあと、変な間がうまれてしまい、周りの生徒たちも変な目で俺たちを見ていた。
佐藤は「はは…」と乾いた笑みを浮かべて横目で俺を見た。
「…はぁ」
俺は一瞬何を言われたか分からず、小さく返事を返した。
後輩も今の周りの状況をやっと今理解できたようで、また真っ赤になった。
「〜〜〜〜!!も、もういいです!!!」
と、逆ぎれに近い様子で走って学校へ向かっていた。
残された俺たちは呆然と立ちつくすしかなかった。
そのあとは佐藤が「ははっかわいい!」と変な言葉をはいて歩き出した。
あの消えていく背中が蜃気楼の如く消えていく。
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