きみがいない





また昼休み。翌日のことだ。いつも通り背後には…ってアレ?


「あれ?今日はあの後輩くんいないじゃん!」


「平介、フラれたんじゃないか?」


鈴木のニヤついた毒のある笑みは慣れたものだけど、いつもいた後輩がいないのは少し違和感を覚えた。なんというか、モヤモヤとしたもの。

別にあの後輩とは話したりだの、なんだのとはしたことがない。
いや、時々すれ違うときに「げ…」だの「愛が足りない」などとぼやかれることはあったけど。
実は、名前でさえ曖昧な部分がある。


「…どうしたんだろうねぇ…」


「平介が他人の心配!」


「めっずらしいこともあんだな…あのいとこ以来じゃないか?」


「ほんとだよねー!あ、最近あっくんはどうなの?」


「え、あぁ…別に普通ですけどねぇ…」


つか、今あの哀愁の背中を思い出したくない気分なんだけど…。
まあだからと言って、大事ないとこを無碍に扱ったりはしませんけどね。

俺は、気づかない間にあの後輩のことが気になっている。
まあそれはどういった感情からなのかは、自分の気持ちなのにわからない。


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