きみがいない
また昼休み。翌日のことだ。いつも通り背後には…ってアレ?
「あれ?今日はあの後輩くんいないじゃん!」
「平介、フラれたんじゃないか?」
鈴木のニヤついた毒のある笑みは慣れたものだけど、いつもいた後輩がいないのは少し違和感を覚えた。なんというか、モヤモヤとしたもの。
別にあの後輩とは話したりだの、なんだのとはしたことがない。
いや、時々すれ違うときに「げ…」だの「愛が足りない」などとぼやかれることはあったけど。
実は、名前でさえ曖昧な部分がある。
「…どうしたんだろうねぇ…」
「平介が他人の心配!」
「めっずらしいこともあんだな…あのいとこ以来じゃないか?」
「ほんとだよねー!あ、最近あっくんはどうなの?」
「え、あぁ…別に普通ですけどねぇ…」
つか、今あの哀愁の背中を思い出したくない気分なんだけど…。
まあだからと言って、大事ないとこを無碍に扱ったりはしませんけどね。
俺は、気づかない間にあの後輩のことが気になっている。
まあそれはどういった感情からなのかは、自分の気持ちなのにわからない。
[ 3/24 ]
[*prev] [next#]
[bkm]