蛇が笑う




『何々、平介ってあっち系なわけ?』


天から聞こえる声に見上げれば、そこには弧を描く口と双眼が。


『…聞いてたんですか、先輩。』


『そりゃ、人の隠れ話は大好きな人間でね。』


そう言ってニヤリと笑えば、階段を降りてきた。


『1人ですか?』


『ん?あぁ、片付けて貰ってるのよ。』


『はぁ…』


手伝わないわけですね、先輩。
まあこの人が手伝うみたいな人の役に立つような事をする人じゃないことは知っている。それに、ジジ先生の片付けでさえ手伝っている姿は見たことがない。


『いや、まさか平介くんがホモだt』


『違います。』


『好きなんでしょ?あの一年生が。』


『………』


またニヤリと笑う先輩。
この人の、他人の心を読んだような語りかけが苦手だ。


『いいんじゃない、別にあんたがホm『違います。』だとしても、私は気にせずに応援してやるじゃない!』


いつの間にか真横にいた先輩が俺の肩を思いっきり叩く。
痛い。


『がんばれよ〜へ・い・す・け・く・ん!』


また笑う先輩。
上からもう1人の先輩の呼ぶ声が聞こえた。




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