突然の始まり?
真っ赤になった海藤くんはとても可愛らしくて、このままどうかしたいな、なんて高校生としての性的な考えを繰り広げたり。
「あ、ぁあ、暑いです!」
「まあいいじゃないか…」
「良くないですっ!」
うぅ…、と俺の胸の中から唸り声が聞こえる。しかし、抵抗はされない。無意識なんだろうか、海藤くん。
「海藤くん、学校は楽しいですかね?」
「…まあ、それなりに…」
そういえば、この間の体育での授業では楽しそうにサッカーしていたことを思い出した。
「しかし、先輩たちに出会ってからは最悪なことばかり起きます。」
「ぐっ…突然ツンが出てくるとは…」
「ツン?ツンではありません!意味のわからないことばかり言わないでください!」
「(ツンデレ知らないの!?)」
「な、何ですかその顔は…!」
ムスッと軽く頬を膨らませながら俺を胸の中から見上げていた。
はあー…かわいいなぁ。
好きだなー…あ?好き?
「海藤くんって俺の事、」
「もちろん嫌いです。」
「即答!」
「しかし、先輩とこうやって話すのは嫌いではありません。先輩の見た目と中身は嫌いでも、話したらそんなこと忘れてしまいます。」
真っ直ぐな瞳が俺を捕らえていた。
嗚呼、無意識だこれ。確信犯。ダメだ。
俺はこんなに日々の中、このたった一人の後輩に胸を動かされている。追いたくなくとも、目が耳が海藤くんを追いかけてしまう。
やっぱ、好き…なのかな?
「そっか、何ていうか喜んで良いのか悪いのかよくわからないね…」
「ふんっ」
「まあいいかな、ありがとう。海藤くん。」
「し、しかし…まだ認めて………」
訂正の言葉を述べようと振り返った時、海藤は驚いて言葉を失った。
さっきまで遠かった平介の顔が目の前にあるのだから。
平介は静かに海藤の顎に手を添える。そして、震える海藤の唇に目をやった。
そして、ゆっくりと顎を引き寄せた。
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