○が始まる5分前




海藤は小さく溜め息をつくと、その場に座り込んだ。

そんな海藤の姿を見つめながら、海藤くんは女子を泣かせたりするような男だったんだと、軽蔑の意味ではなく、感心してしまった。

海藤くんは黙ったまま天を見つめている。
なんというか、高校生なのに幼く見える姿に笑いが浮かぶ。

そんなこんなで、考えてみれば授業がそろそろ始まる時間。
先輩たちはきっとサボるだろう。
俺は授業を1つでも多く取って、単位を増やさないとやばい。


「(…階段降りないと。)」


しかし、階段下には海藤の姿。

平介は迷った末に、自ら先輩たちのあの恐怖の雰囲気、ではなく、寂しげな後輩の背中を選んだ。




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