2つの影
化学の授業が終われば、昼食。
佐藤と鈴木といつも通りで一緒に食べようとしていたら、佐藤は知り合いの先輩に呼び出しをくらい、鈴木は先生の呼び出しでどこかに行ってしまった。
佐藤の呼び出しは、あのキョウケン時代のような恐ろしいものではないらしい。
そして、たった俺だけ一人残された。
ひとりぼっちになった俺は歩む足を階段に向け、屋上へ向けて行く。
まあまあ長い階段を登っていくと、屋上の扉が見えた。
屋上にある重い鉄の扉を開いてみれば、温かな日差しと共に2つの人影を見つけた。
「ん?お、平介じゃん!」
あまり関わりたくない人物の一人である先輩は何か面白そうなものを見つけたような声で俺の名前を呼んだ。
もう一人の先輩も遅れて「よっ。」と、俺に気づいた。
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