届いていますか? (3/3)
(!)作者は別に少女マンガの読みすぎではありません。
ゲロ甘?にご注意!そして名前は呼ばれません。
同じクラスの長谷さんが、よく廊下の窓際で外を眺めているのを見ていた。
届いていますか?
「鈴木…また俺のお菓子食べたでしょ…」
「佐藤のほうが多く食った。」
「どっちにしろ食べたんじゃないか…」
長谷さんがいつもいるはずの窓際には誰もいず、今は私がいる。
見覚えのあるようで、ないような面々。唯、先輩だということだけはわかる。
「俺のお菓子…」
「落ち込むなよ、また…作れよ?」
「目が笑ってないですよ、鈴木さーん。」
鈴木、と呼ばれたその人はお菓子を奪われたらしき人と楽しそうに話している。
すると、お菓子を奪われた人と、私の視線が絡んだ。
私はどきっとして、その場から逃げそうになった。
「あれ…今日は長谷さんじゃないんだ。」
「あ?」
先輩たちは上を見上げて私を見てきた。
今更逃げることは出来ず、ただただ苦笑いを浮かべるままだった。
鈴木、と呼ばれている先輩は不思議そうにこっちを見ていた。
「鈴木ーそんなに睨んだらダメじゃん!あの後輩ちゃん怯えてるよ。」
「に、睨んでねえよ!佐藤!」
私はその仲の良い先輩たちの雰囲気に圧倒されていた。
鈴木、先輩と絡みついた視線は、私の心までも絡みつかせた。
すると、予鈴が響き渡った。
「お、次は何だっけ?」
「化学だっけ…?」
「あ!じゃあ移動じゃねえか!」
先輩たちはそのままどこかに消えていった。
私もモヤモヤとした気持ちを抱えたまま、静かに踵を返した。
その後に気づいたけど、これは初恋なんだと思う。
あの人と絡みついた視線は今でも覚えている。
真っ直ぐな切れ目のあの人。
そして、今、私と手を繋いで、歩いているのは。
end
(作者もまともな文を書こうとしたら、)
(こんなことになった…)
(本当はシリアスにしたかった…)
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