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夢主が猫になっちゃった?




「なまえ……なんだソレは?コスプレ……では、ないようだが……。直に生えているのか?」
「にゃおっ!よしかげさんだー」
「……うわッ、おい、なまえ?大丈夫なのかい?」

わたしの姿を見るや否や、跳ぶようにして抱きついてきたなまえ……のような何か。それを受け止めながら、一体これは何が起こっているのかと、わたしは大いに戸惑った。

家に帰ってきたら、わたしの可愛い妻が訳の分からない事になっていた。髪色と同じく、黒く艶やかな毛並みの猫耳に、猫尻尾。それがなまえの体から直に生えている。信じがたい事だが、実際そうなっているのだから仕方がない。

「なまえ?これはどういう事なんだい。誰かに何かされたのか?」
「にゃにもされてませんよ!」
「じゃあなぜそんな姿に……」





「吉影さんいい匂いぃふぁふはぁはぁあっんッ
「……なまえ……」
「んくぅんうなぁ……ぐるるるる……
「わたしの匂いを嗅いだだけだというのに、まったくきみは……。なんてスケベな顔をしてるんだい?自分で分かっているのか?」
「にゃぁあああ〜
「こら、話を聞きなさい」
「〜〜〜

まるで酩酊状態のなまえは、わたしの制止の声を無視して尚も身をくねらせている。どうやら聞こえていないようだ。どさくさに紛れて尻を撫でてもみたが、全く気づかない有様である。なまえは完全にトリップしてしまっていた。
あまり手荒な事はしたくなかったが……こうなっては仕方がない。ため息をつきながら、なまえがフリフリと踊らせている尻尾へと手を伸ばした。

「わたしだってこんな事はしたくないさ。許してくれよ、なまえ……」
「ぅな〜んうな……ッ、ふぎゃッ!?!?」

猫の急所、細くしなやかな尻尾をわたしはぐわっと掴んだ。
突然尻尾を鷲掴まれた痛みで、なまえはパニックだ。反射的にわたしから飛び退こうとしたが、それは許さない。咄嗟になまえの体をかき抱き、わたしの体に押し付ける形で捕獲した。

「ぎゃ!みゃぁッ!!フーッ、フーッ!!」
「ああもう、暴れるんじゃあない。大人しくしろ……」
「みゃおぉぉぉ……ッ!」
「なまえ……いい子だから一旦落ち着くんだ。よしよし」
「みぃ……!みっ……、フーッ、……」

わたしの腕の中で、徐々に大人しくなっていくなまえ。
それにしても嘆かわしい。動物になった事で理性の鎖が緩んでしまったのか、なまえがいつもよりアホだ。いつもの聞き分けのいい態度はどこへやら、すっかり手のかかる娘になってしまった。なまえだから、という事で少々の無体であれば、まあ……ギリギリ許せなくもないが、しかし面白くないのも確かである。



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