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東堂に慰めてもらう



「いちいちうっせーなブス!!」
「…人のこと言えるような顔してる?」
「アア!?」

荒北の口が非常に悪い事はよーく知っている。東堂にも同じようにブスだのデコだのと吐いているのも結構見かける。あの綺麗に整った顔に許されざる言い草だ。例え神が許しても東堂ファンクラブの女子は黙ってはいないだろう。東堂は慣れと諦めゆえ、青筋を立てながらもそれをスルーしているからまだいいものの、問題はこちらだ。
女子に対して面と向かって「ブス」と言い放つ男なんて、流石にありえない。論外中の論外だ。どういう頭してんの?


「ねぇ東堂聞いて。荒北が言うこと聞かないの。それだけならまだしも、また悪口言われた。」
「おーおー、今度はどうしたんだ?この俺が何でも聞いてやろう。で、何て言われたんだ。」
「ブスって。お前なんか女子じゃないって。」
「んなっ…あいつなまえにまでそんな事を言っていたのか!!」
「そうだよ。人が折角心配してるっていうのに流石に酷いよねぇ。あり得ないでしょ。」
「…よく言われるのか?」
「うん、そりゃもう」
「…妙だな。荒北は普段、基本的に女子にそこまで言っておらんぞ」
「東堂までまるで私が女子じゃないみたいな言い方するんだ…」
「いやそうではなくてな!?」

一層沈み始めた私の背中に東堂の手が乗せられて、宥めるようにポンポンと叩かれた。

「あいつ、ある程度親しくて、かつ整った顔立ちの奴にしかそういう類の暴言は吐いておらんのだ……。それに気づいた時まあ仕方ないから許してやろうと思ったのだがな!腹は立つが、あいつなりのコミュニケーションの取り方なのかもしれんしな。親しさの裏返しだ」
「ええ……なんか納得いかないよ!そういうのって小学生までじゃない?私もっと荒北と普通に話したいのになぁ……」
「まあまあまあ……。荒北はそういう性格だと割り切るしかないな。ともかく気を落とすことはない。なまえは美しいぞ!この俺が保証するのだから間違いない!!」
「え、ほんと?」
「俺の次にな!!」
「あ〜も〜!一言余計なんだってば!」



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