夢小説 弱虫ペダル | ナノ




部室でエロ雑誌を読むな




「なあ、これなまえに似てねえか?」
「さっきから熱心に何を読……どわぁぁあ!!??やめないか!ここも一応部室だぞ新開!」
「まあまあ、尽八も一瞬だけ見てみろって。びっくりするからさ。な、一瞬だけ!いいだろ?」
「いいや、いかんね!閉じろ!」
「本当にいいのか?……なまえの白ビキニチラ見せセーラー姿だぞ!」
「!!……なんだと……!?……い、いや、ふしだらだそんなもの!俺は絶対に見ない!!山の神に誓って!!」
「おめさん変なとこで意地になるよなぁ。別に悪いことじゃないだろ。けっこう似てるってだけの別人だよ、ほら。……でかいぞ?」
「しつこいぞ……!!なんと言おうとも俺は……」

「何してるの?二人とも」


ハコガクの自転車競技部の部室は広い。メインに使っている練習や休憩のための部屋の他にも、筋トレ専用、雨天時専用、なかには物置同然の部屋なんてのもある。

今回はそんな物置部屋で一人奮闘、じめじめ薄暗いなかを、古い資料を探してやっとこさ部屋中掘り起こしていたところなんだけれど。


「ねぇ、何してたの?」


ありえない本人の登場に流石に言葉を失ったのか、表情をなくしたまま固まる彼らの前に笑顔で立つ。最早情けなんかない。


「いつまでそうしてるつもり?……それ、福富くんに渡すから」
「いや、ちょっと待とうぜ。違うんだよ。これは俺のじゃない」
「この期に及んで言い訳なの?何を後ろ手に隠し持ってるのか、残念ながらなんとなく分かってるんだよねー私」
「なまえ……い、いつから」
「最初からいたんですけど!」


奥まった場所なもんだから、普段はなかなか人が来ないという穴場休憩スポットのベンチで、馬鹿みたいなことで騒いでいるうちの看板選手が二人。換気するため物置のドアを開けておいたから、私の所まで話の内容は筒抜けなのであった。……頭が痛くなりそう。
こんな人気のないところだから、今年のIHメンバー同士、腹を割って色々と熱く語り合うシリアスな流れなのかとちょっとだけドキドキしていたと思えば、聞こえてきたのは猥談。しかも内容自分!!最悪すぎるでしょ!人が真面目に仕事してるのに!


「私ここ十年分のIHの記録さがしてたの!そこのじめじめしてて、電気つけても微妙に暗い部屋で!一人で!!分かる?……丸聞こえなの!」
「す、すまん……」
「なまえ、ゴメン。……お詫び代わりじゃねえが、手伝うぜ」
「それは有難いけどそうじゃないでしょ!その如何わしい雑誌持ち込んだの誰!?ありえないでしょ、こんなとこにさぁ……!」


いくらなんでもここに変な雑誌があって訳がないのだ。

「とにかくこれは没収させて貰います。さっきの話を忘れてあげる代わりに、後で福富くんにたんまり怒られなさい」
「「すみませんでした……!!」」




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