代償 三年生になって、かっこいい先輩が欲しいなって思った。 それで、委員会に入ったら、かっこいい先輩ができた。 四年生になって、また先輩になったから、可愛い可愛い後輩が欲しいなって思った。 そしたら、可愛い後輩ができた。 なんだかお腹がすいたなって思うと、おにぎりとお茶がでてくるし、ひとりになりたいなって思うと、穴掘りの道具がおちている。 僕が急いでるとき、信号は全部青。 テストは毎回山があたる。 くじをひけば一等賞。 懸賞だって毎回当たる。 なんで、なんで。 人から見ればすごいラッキーなんだろうけど、僕はいやだ。 普通がいい。 こんなラッキーはいらない。 怖いんだ。 うまくいきすぎるんだ毎回。 いつか今までの幸せを持って行かれちゃうようなきがして。 今までの幸せを全部、無かったことにされてしまうようなきがして。 そんなのやだよ。 やだよ。 だから、こんな体質なんかいらない。 もっと不運な人たちにあげてください。 僕はいらない。 いらない。 いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。 「…喜八郎?」 滝ちゃんの声がした。 [目次] [栞] |