あぁ、

果たして俺は、どうやら心まで悪魔となっていたか、気付かないうちに。

(それとも、気付かないフリ?)




創世は成されず、煌天はいずこかへと去った。足下にはただ乾いた砂の大地がどこまでも広がり、有象無象の悪魔が闇の中に蠢いている。

(――変わらないじゃないか、)

胎児は母の胎の中で死んだ。
ただここに立っている細っこい悪魔が殺した。誰かがそう言っていた。

(今までと同じじゃないか。)

かれら
悪魔達は気付かない。
ここに呆然と立つ悪魔のようなヒトの胸の内の虚無に。たとえ気の付いたところで、興味なんて示さないだろうけれど。

(何も、変わらない。)

変わらない。

世界は世界のままここにあって、また新しい話が始まるのを、ただ待っている。

(求めたものなんて結局手には入らないんだ、)

あぁ、それとも、

果たして自分が求めていたものがこれだと言うのなら、


(了

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