『貴女、不動君とはどういう関係?』

『年上?なにそれおばさんじゃん』

『全然女らしくないし』





『二度と不動君に近寄らないで』









「…という夢見たんだよ、今日ー」

「珍しいね、塑琉奈が夢見るなんて」

「しかも凄いリアルだな」



今日はとてつもなく嫌な夢を見た

嫌……てか、
なんとまぁ…的を射すぎて
逆にあっけらかんと目覚めてしまったのだが

そうしていつも通り
来夢達とイナズマジャパン練習場で
一服しながらさっきの夢の話に戻る



「ほんっと女って恐いよなー、ひー!!!」

「正夢じゃなければいいけどね…」

「けど正夢だったら塑琉奈笑ってそう!!!」

「あっ、言えてる」



女の中での会話で
夢や起きたこと、思ったことを長々話し
笑い合うことは日常茶飯事

俺も今日見たその夢を
面白半分のネタとして話していた



「確かに起きた後、笑ってたがな!!!
高らかに、な!!!」

「逆にキメェw」

「来夢ひどいw言っちゃダメw」



案の定、そこから笑いを取れてんかった
来夢や椎を笑かすことが
俺の楽しみのひとつだと俺は思ってるし



「塑琉奈さーん、ちょっとお使い頼んでもいいですか?」



そうしてる中、
可愛い声で俺を呼んだ秋ちゃんに
ぎゅるん!!と走り寄った



「もぉおちろぉん!!!秋ちゃんのためなら、この身を捧げようとも行かせてもらいます!!!」

「えっ…あっ…ええ!?」

「秋ちゃん、私たちもなにか手伝うことある?」



塑琉奈の勢いに若干引いた秋に
来夢たちも近寄り、気にせずに声掛ける



「ありがとうございます!!!
じゃあ来夢さんと椎さんは
春奈ちゃんと冬花ちゃんと一緒に
選手たちのサポートをお願いします!!私は倉庫の整理をするので」

「秋ちゃん!俺は!!?」



ワクワクと落ち着きなく肩を揺らす塑琉奈に、秋はメモと財布を渡す



「塑琉奈さんはお使い、お願いしますね?」

「よっし、まっかせろぃ!!!」

「あっ…、塑琉奈!!」



秋から渡され、早速っ!!と
スキップしながら練習場を
後にしようとした塑琉奈の背に
来夢は声掛ける



「なんかあったら、私らに連絡しろよー?」

「んな、はじめてのおつかいじゃねぇんだから心配すんな!!!」



来夢の言葉を軽く受け止めて
塑琉奈はニヤッと笑い、

スキップしながら練習場を後にした



「うーん」

「どした?来夢」

「いや、塑琉奈の夢のことが引っ掛かってさ」

「大丈夫だよー、塑琉奈なら笑い飛ばすって」



小さくなる塑琉奈の背を見つめながら
椎の言葉に満更でもなく、
だけど難しい顔をして来夢は唸る



「確かに塑琉奈は物事を深く考えないし、強いとは思うよ」

「うんうん」

「けど…その分、あの子はめんどくさがりだから、自分で首絞めなきゃいいけど…」



まぁ、たかが夢よねっと
考えたことを一掃し、来夢は椎と一緒に
選手たちの方のサポートへと向かった



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