「ふぁっ、あ…あっ!」

指を埋めると少し先にある小さなしこり。そこを二本の指で転がす様に押し上げると、雪哉の口から甘い声が吐き出される。
ふるふると内腿を震わせて指が真っ白になるほどシーツを握りしめ、上気した顔は虚ろに天井を見つめている。口に含んでいる雪哉のものがピクピクと震えると責めを弱めて、絶頂にいくことは回避する。
初めての時はいくと中が更に縮小してしまい後が大変になると聞いたから、中が十分解れるまでこうして続けているが、雪哉にとってはかなり苦しい行為になっているだろう。

「うぁ…くる、す…も…う…」
「ん、悪いゆき。もう少し我慢してくれ」

指を更に二本増やすと、小さく苦しく呻く雪哉の声が聞こえた。四本の指をぐるりと回し、うまく痛みが無いように中を広げていく。それでも先程より甘さが無くなった声に応える様に口の中の雪哉のものに舌を這わして、やっと覚えた雪哉のいいところを責める。
やだとかだめとか聞こえるが、それが雪哉のきもちいいなのは何度かこういう行為をして学習した。

付き合ってほぼ一年。雪哉は大学に入り、俺はまだ高校生活を続けている。お互いの関係は普通の恋人よりは遅くも少しずつ進んでいき、今日やっとお互いが繋がる行為まで進める事になったのだ。
なるべく痛い思いはさせたくない。
そう思って指をばらばらに動かし、しこりを強く押してやると雪哉の体はびくりと跳ねる。勉強した通り、ここを触られるときもちいいらしい。やだと言いながら目尻に涙を浮かべ甘い声を吐く雪哉を、思わず欲望のままに押し倒したくなるがそこはなんとか理性で抑え込む。

「く、るす…本当に…つら…」
「…大丈夫か?」
「大丈夫じゃねぇ…馬鹿クルクルッ…!」

早くしろと言うように膝で頭を小突かれ、俺もそろそろ大丈夫かなと指を引き抜く。
ぶるりと体を震わせて、やっと収まった責めに一息ついている雪哉を見ながら、毛を挟まないようにゴムを取り付ける。痛くない様にローションを塗りたくり、ぐったりとベットに寝転んだままの雪哉に覆い被さる様に上に乗る。まだ虚ろな雪哉の瞳が俺を見上げて、こっちが何か言う前に頭を引き寄せられ、無理矢理唇を奪われる。まずいと思い慌てて引き剥がそうとするが更に深く口づけられ、熱い舌が口の中で絡み合う。
きもちいいのだが、待った。先程まで俺は雪哉のものをくわえていたのだ。俺は慣れてしまったが、口の中はいいものとはとても思えないだろう。
案の定「うえ」と眉を潜めて口を離される。涙目なのは先程からとは分かっているが、何だか俺の口の中がゲロマズみたいにされたみたいで少々傷付いてしまう。

「くそまずい…」
「当たり前だろ…考えれば分かるだろ馬鹿」
「誰が馬鹿だよ…したかったんだから仕方ねェだろ」

そう言われて、つい顔が赤くなってしまう。そんな恥ずかしい事をはっきり言いやがってと思っていると、漸く自分が言った事を理解した雪哉が顔を一気に赤く染め、馬鹿野郎このクルクルと頭を軽く叩かれる。
男相手に使うのも変だが、本当に可愛いと思う。頬にキスをして耳元で力抜いてろと言いながら、先程まで解していたそこに俺の先端をくっつける。
ローションの冷たさかそれとも次にくるものに怯えてかふるりと雪哉の体が震える。怯えが混じった瞳が俺を見上げて、誘われる様にキスをする。
味に少し顔をしかめたが、自ら頭を引き寄せて口づけを深くする雪哉に口は好きにさせておいて、俺はゆっくり腰を進める。
抵抗がまだ残るそこに抗いながら、それでもなるべく痛くない様にと少しずつ中に埋めていく。口づけの合間に苦しげに息を吐く雪哉の呼吸に合わせて一気に行わず少しずつだけ。
切れてはいないが、指とは違う圧迫感に必死に息を吐き出し、身体中から汗を浮かべ苦しげに涙を溢す雪哉に一度動きを止めて、大丈夫かと声をかけるがぺしりとまた頭を叩かれる。

「い…たいっての…馬鹿野郎…」
「ご、ごめん」
「わかっ…たら、早くしろ…」

少しずつじゃなくていいから一気にやれ。そう言うものの、雪哉の体は大丈夫だろうか心配になってしまう。たしかに一気にやってしまえばすぐに終わるだろうが、その分痛みも酷いものになるだろう。そうやって脳内で悩んでいると、痺れを切らしたのか雪哉がいきなり起き上がり、俺を押し倒す形にしてしまった。
まさか俺が上になるとか言い出すんじゃないかと一瞬血の気が引いたが、雪哉はそのまま反転したショックで抜けてしまった俺のものをなぜか乱暴に掴んだ。

「痛ぁッ!!」
「うるせぇ大人しくしろ!」

大事な場所を握りしめられているのに大人しくなんてできるか。
そう反論しようとしたら、いきなり雪哉は自分から俺のものを中に押し付け、小さく呻きながら膝を立てている体を落としていく。
まだ慣れていない中に俺のものが痛い位締め付けられ、俺もつい呻いてしまう。

「待…待った、ゆき」
「ぎ、い…!」

まさかと思い慌てて雪哉の腰を掴んだが遅かった。
歯を食い縛り、重力と自分の体重に任せて一気に腰を落とすと、シーツを握りしめて雪哉は声にならない声を上げる。
やってしまった。
ぼろぼろと堪えていた涙が零れ、ひゅーひゅーと辛そうに息を吐く。力が抜けたのかゆっくり俺に覆い被さると、震えた腕ですがり付きながらしゃくりをあげ続けた。俺は少しでも痛みが和らぐように雪哉の背中をなで続ける。痛みが酷いのは完全に見た通りで、先程まで限界近く震えていた雪哉のものは完全に萎えてしまっていた。
一気に入ったのは念入りにかけたローションのおかげだろう。血が出ていないのが不思議な位だ。

「…大丈夫か?」
「うう゛…うー」

ふるふると小さく首を振ると、弱々しく俺にしがみつき痛みに耐え続ける。辛そうな姿にどうしようと思いながらも、こんな時にすがり付いてきてくれるのが嬉しいと思っている自分もいる。
背中を撫で続け、やっと落ち着いてきた雪哉に軽いキスをすると顔を引き寄せられ舌を絡ませられる。涙で潤んだ瞳が口づけを深くする度にとろりと熱を孕んだものになっていく。と言っても鼻水も出ていて官能的にはとても見えなかったから、近くの箱ティッシュを引き寄せて鼻をかませる。痛みも大分ましになったのか綺麗とは言えない様に思いっきり鼻をかみ、涙で汚れた顔も拭ってしまう。
もう少しムードを考えれないのかと思ったが、まあ雪哉らしいかと苦笑すると「なんだよ」と軽く睨みつけられた。

「…おいクルクル」
「なんだよ」
「…動けよ」
「…大丈夫なのか?」

そう聞くと再び睨まれてしまったが、次の瞬間また抱き締められ「おう」と耳元に声をかけられる。
その暖かさに雪哉に見えない様ににやつくと、頭を一度撫でてから雪哉の腰を掴み、律動を始める。
顔は見えないが、小さい息遣いと呻く声に耳を集中させながらゆっくりと少しだけ上下をさせる。慣れてきたかと思ったら少しずつ出し入れする振れ幅を大きくしていき、萎えた雪哉のものにも指を這わせて快感も与える様にしていく。
息遣いが先程とは違った熱を含ませて荒くなっていき、ここだったかと入り口近くの壁を抉る様に突くとしこりっぽい感触と雪哉の甘い声が耳に響いてきた。

「うあ、そこ…!」
「ここ?」
「違…くね、けど…違うぅ…っ!」

ふるふると頭を振るがその言うことに反してそこを重点的に付けば、雪哉の背中がびくびくと震え甘い声は更に耳元にかけられ、俺も熱に浮かされそうになる。
元に戻った雪哉のものを強くこすり、先端の先走りが垂れる穴を指で苛めてやれば更に声が上がり、それに合わせて奥まで突いてやると弱々しくだが雪哉の腰も揺れた。

「ひ、あ。あっ!くる、くるすぅ!!」
「ゆ、き…!」
「なんか、へん…腹ぁ…あつ、い…ひ、あぁあっ!」

先程まで耐えていたせいだろうか。
予想より早く雪哉は絶頂に達してしまい、柔らかくなった中の肉が絡み付く様に俺のものを締め付ける。
は、と息が漏れ、その締め付けに耐えきれないまま俺も絶頂に達してしまった。
腹に雪哉が出した白濁が飛び散り、お互いの熱の熱さに苦しげに息を吐く。
ふと、雪哉の方を向くと目が合いそのままどちらかともなくキスをすると、雪哉は力尽きた様に瞼を閉じて、数分もしないうちに寝息を立ててしまった。


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