「ないしょだよ」

人差し指をそっと唇に当てて、尾浜先輩は笑った。その姿があまりにも意地悪そうだったので。


「…内緒にすると思いますか?」


言い返せばそれは楽しそうに瞳を細めた。


「なら、口止めしなきゃね」


ふ、と影ができる。
次いで唇に柔らかい感触。ああ、口づけされたのか。
悪戯が成功した子供のような顔をしている尾浜先輩ににこりと微笑む。


「まさかこれで終わりですか?」


首を傾げて見ればその真ん丸な瞳をさらに丸くして驚いていた。
けどすぐに流石トモミちゃん、と頬を撫でられる。

「そうこなくっちゃね」


何がお望みですか?お姫さま。

恭しく手を取られ、跪く。

試すような瞳にわざと悩むふりをして、尾浜先輩の装束の襟を掴んで噛みつくような口づけを贈った。








***

秘密の共有をどっちも楽しんでる。
いやはや勘トモが好きすぎて辛いです。

ふたりのイチャイチャを天井に張り付いて眺め隊。

こへ恵は押し入れから覗き見し隊。










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