「次、わけのわからないこと言ったらその面抉りますからね」


泣きそうな声とくしゃくしゃな顔で告げられた。力の入っていない拳で鳩尾あたりを殴られる。痛くはないけど、ひどく胸が苦しい。


「ごめん、トモミちゃん」


私が悪かったよ。
震える身体を抱き締めて首筋に顔を埋める。少し高めの体温と甘い香りが心地好い。
謝った私にトモミちゃんはとうとう泣き出してしまった。私が悪かった。悪かったから泣かないでほしい。どうしていいかわからないんだ。

…好きすぎて、どうしていいかわからないんだ。

「泣かないでくれ…」

「誰のせいだと思っているんですか!」

だから、私じゃ幸せに出来ないから、他の奴を選んでくれないか。


愛しさで、壊してしまう前に。






***

唐突に始まり唐突に終わっているのは短編用に考えて、途中で投げたからです。







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