※病んでる尾浜。
壊したいと、思った。
あまりにもまっすぐで、きれいで、脆そうだったから。
「トモミちゃん」
呼べば顔を赤らめて嬉しそうに返事してくれるから。
「何でしょうか、尾浜先輩」
壊してしまいたいと思った。
「ん、呼んだだけ」
「何ですかそれ」
どうせ壊すなら、幸せに浸らせて甘い夢を見せて、俺なしで居られないくらいにしてからが良い。
「トモミちゃーん」
「はい、何でしょうか」
「愛してる」
「!…ちょっ、いきなり何ですか!」
「んんー?言いたくなっただけ」
「………尾浜先輩ってよくわからないです」
わからなくて良いんだよ。
そのときまで、君は知らないままで良いんだ。
「…………尾浜先輩」
「…ん?」
「……私も、先輩のこと…愛、して、ます」
「…………」
ああ、楽しみだ。
****
ヤンデレ尾浜さんのデレは拳と罵詈雑言。足を使わないのはなけなしの優しさ。
人でなしといった日には嬉々としてフルコースでもてなしてくれそう。
prev next