しおりのことについて相談を受ける度にこれだから忍たまは…とアヤカは息を吐いた。
先輩にあたる目の前の人物はどうしたら良いのかとただただ頭を抱えているだけだ。
実に面倒である。
「………」
でも、と手に持っているものを見つめる。
相談料として押し付けられたのは町で美味しいと噂の甘味処のものなので、多少は目を瞑ることにした。
「竹谷先輩は意識し過ぎですよね」
「いやでもどうしたら良いかわからないんだよ…」
しおりを目の前にするともう…と呟きながら顔を覆う。思い出したらしく真っ赤だ。
「笑えるくらいへたれですね」
「………アヤカちゃんは厳しいな」
「いやあまりにも竹谷先輩の姿が乙女のようだったので」
ちょっと…と引いているアヤカに苦笑いを返してそうだよなあと肩を落とした。
「自分でも驚いてるんだよ」
「まあ私で良ければまた話を聞きますのでいつでもどうぞ」
相談料は頂きますが。
にやりと笑ったアヤカに八左ヱ門は眉を下げて礼を告げたのだった。
***
なんとなく竹谷とアヤカちゃんは気が合いそうな気がします。
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