*卯子視点。
四人でいるとき、お互いに何を考えているのかがすぐにわかる。
一番近い距離にいる私たちは、きっと他のくのたまの子達より深いところで繋がっているのだろう。
それはそれぞれの大切な相手とはまた違った形で。
「久々知先輩のことはすき。あいしてる。でもね、猪々子や卯子、恵々子のことはもっと深くて狭いところで想ってるの」
亜子が泣きそうな顔で笑う。
私たちの考えは、きっと誰にも理解はされない。友愛としてのものではない。男女のそれのように。寧ろそれ以上に。
途切れることはなく、穏やかに増していく想いを、人は嘲笑うだろうか。
「仕方ないわ、すきなんだもの」
猪々子が淡々と告げて恵々子が肯定するように瞼を閉じる。
ふと、私の脳裏に浮かんだのは伊作先輩だ。けど、私の脳はそれを打ち消して三人でいっぱいにする。無意識で求めるのは三人のこと。いけないことだとはわかる。わかっている。それでも、私たちは。
「………」
何だかとても泣きたくなって、三人を見れば皆私と同じような表情をしていた。
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閉鎖的な百合がすきです。
亜猪卯恵っ子たちの男女前提の百合話…が…読みたい…。
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