笑顔にはたくさんの種類があるのだと、トモミは尾浜に出会ってから知った。


「………なにか…企んでますか?」

「やだなぁ。人聞きの悪い」

手を引かれ、壁に押し付けられ、見上げた顔は獲物をいたぶるような意地の悪い笑みを浮かべていた。

「でも、そうだなぁ」

する、とトモミの太ももを撫で上げる。それは獣がご馳走を前に舌舐めずりをするように。

「企むって訳じゃないけど……」


今、すごくお腹が減ってるんだ。



拒否を許さない笑み。トモミは呆れたように嘆息し、目の前の男に腕を絡めた。





(召しませ!)





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