※高尾がひどい。 どうあがいてもバッドエンド。 そうして彼はおれの、ひだりてを、 「だから別に、みどりま、お前はどうでもいいんだよ」 まるで明日雨が降るんだってとでも言うようにさらりと放たれたことば。喉が。じんわりと締め上げられた。何を俺は期待していたのだろう。初めからきちんと考えれば分かった筈じゃないか、初めから…。「初めから」なんて考える時点で俺はもう道を間違えてしまったのだろう。 「一日三回以外のワガママも、あのリヤカーも、おは朝のラッキーアイテムも、ちょっと理解できねぇお前の隣に立つ事だって、あのシュートをやってのけるお前の手さえ手に入れば俺はそれでいいんだよ。なにか勘違いしてるみてーだけど」 あぁ。そうか。こいつの中にはこれだけしかないようだ。いくら探そうとしても、全て徒労に終わるのか。かつての仲間たちと同等、もしくはそれ以上にと思っていたのに。勘違い。身体の中に穴が開いて、空虚が蝕む。どんどん大きくなっていく。息が。俺はこれからどこへいけばいい。見えない先の道標を時に一緒に灯したのは、こいつだったのに。 見えていないのだ。目の前の男には。俺がこの手を成すのではなく、手が俺を成しているのだ。すべては。今までのこいつのすべては。 「なぁ、緑間。俺は誰よりも、その手の価値を知っている。そうだろう?」 その為になによりもお前を大切にするよ。 にんまりと笑んだその瞳から逃れるように目を閉じる。頬を伝う何か。俺の中から零れ落ちたそれはなんというきもちだったのだろうか。 あなたがてにかけた僕の産声 (お前のその広い視野の中、俺はどこにもいない) ちまたで噂のゲス尾くん。 真ちゃん好き好き高尾と同じくらい緑間を大事にするけど中身空っぽ的な…。 うぅ…不完全燃焼。 |