※フェリシアーノさんが真っ向から真っ黒です






「ねえ名。今日ルートと仲良さ気に話してたよねー」

「…すみませんすみませんすみません…死にます、死んで詫びます!!!」

「ヴぇー。別に怒ってるんじゃないよ?」

「え…」

「だけどもう誰とも話ができないように監禁したいとは思ってるんだー」

「しっかりお怒りであられるぅううううう!!!!」


私の彼氏を紹介します。
フェリシアーノ・ヴァルガス。甘いフェイスのイタリア男なのですが、見た目の可愛さと裏腹にちょっと腹黒いです。
本人は全く気づいていないようなので、天然腹黒とでも言いましょうか。
とにかくピュアな腹黒です。本当は純粋な子なんです。ちょーっと手におえなくなるぐらいでいつもは優しい恋人で………だから本当に怖いとかそんなんじゃないですってば!!!


「えっとあの…フェリシアーノ様」

「なんで様つけるのー?恋人同士なんだからもっと気軽に呼び合おうよ!」

「ヒィイイイ!!で、ではフェリシアーノ…」

「ヴぇ〜。なになにー?」

「あの、ちょっと用があるので出かけてきても「…男の所?」いや、男は男ですけど!!ただ市場のおじさんの所に行くだけd「俺以外の男のとこに行っちゃダメだよ〜。やっぱり監禁した方がいいのかなぁ」すみまっせんでしたァアアアアッ!!!!」


フェリシアーノの足元に滑り込むようにしてジャンピング土下座を華麗にきめると「すっげー!もう一回見たいよー!」と喜んでいただけたので再び膝を地面に滑らせる事になった。
あぁ、摩擦で足が痛い。


「ねぇねぇ名、俺の事好き?」

「好きですハイ」

「そんな空っぽな答えじゃなくて本当の気持ちが欲しいよ、俺」

「…」



嘘じゃない。本当に、好きだとは思っている。
だけどきっと、フェリシアーノは私が何を言っても信じてはくれない。
いつも私を疑った目で見ているのだから。


「俺はね、名が本当に好きなんだ。だからずっーと一緒に居たいと思うし、他の男と喋ってるの見るだけでムカムカするんだ。それって俺の我侭なのかな…」


自分は他所で女の子ナンパしてるのによく言うよ、なんて事がいえるわけも無く痛む膝を我慢してフェリシアーノの傍に寄る。

好きじゃなかったらこんな腹黒いやつと誰が一緒に居るもんか。
すきじゃなかったらこんな生活ノイローゼになって死んでる(今も若干ストレスは大きいけど)
今日ルートと話していたのもフェリシアーノの事で話が盛り上がっていたって言うのに。


「フェリシアーノ…」

「我侭ばっかでごめんね…。でも俺は本当に、本当に好きだから…」


そう言って私の唇に触れるだけのキスを落としたフェリシアーノはぎゅっと私の体を抱き締めた。
力加減ができていない。苦しい。



「フェリ…私はちゃんとこれからもフェリシアーノの傍に居るから」

「ヴぇ…ほんとに?」

「本当に、デス。はい」

「本当かなー」


クスクスと楽しそうに笑うフェリシアーノのくるんとした髪がぴょんぴょんと揺れる。


こんなにも腹黒くて、それでいてピュアで、パスタと女の子が大好きな我侭男で。
それなのに愛しいと思ってしまうなんて、私は相当彼に弱いらしい。



「だけど今度俺以外の男と仲良くしてたら本当に監禁しちゃうよー」

「ヒィイイイ!!それだけは、それだけはやめてぇええええ!!!」

「やーだ。だって俺独占欲強いんだもん!」

「よく分かってるよ…よく」



とりあえずしばらくは監禁されないようにフェリシアーノの傍を離れないようにしておこう…。







≡≡≡≡≡≡


以前に書いたものを少し修正して移動しました。
一度イタちゃんを黒いと思ってしまうともうどのイタちゃんを見ても真っ黒にしか見えなくなります……あ、うそですごめんなさいイタリア様。



2010.5.18





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