「皆さん早く起きてください!!早く用意しないと遅刻しますよ!!」


菊(年齢詐称)。大家族の家庭を切り盛りする肝っ玉母ちゃん。
趣味は漫画を描く事と愛娘の成長を記録する事。


「おはよう〜お母さん…」

「おはようございます。おや、眠そうですね…」

「昨晩またアルフレッドとロヴィーノが私の布団には行ってきてさぁ…ただでさえピーターと二人で狭いって言うのに窮屈でゆっくり眠れなかったよ」


名(17)。この一家の紅一点で三つ子の一番上。
お姉さん気質で弟達の面倒をみながら平凡な日々を送っている。


「あ、おはようアーサー」

「おぉ…」

「どうしたのその頬っぺた…。まさかまたギルと喧嘩した?」

「あいつが勝手に俺の参考書に落書きしやがったんだよ…。まぁやられた分三倍にして返してやったけどな」

「やめなさい元ヤン。ったくもー赤くなってるじゃん。痛くない?」

「な、ちちちち近いんだよバカァアア!!!」


アーサー(17)。五男で優等生ぶっている元ヤンの三つ子の末。
中学時代は荒れに荒れていて家族の悩みのタネだった。
今は更生した自称紳士。


「ちょっ、お前ら距離近い。もっと離れぇ」

「トニー兄ちゃん。おはよう」

「おはよー名。今日もかわええなぁ〜流石は俺の妹や!!」

「うわっ!!もー何すんの髪の毛ぐちゃぐちゃになっちゃったじゃん!」

「あーもうほんまかわええなぁ!!兄ちゃんがちゅーしたろか〜」

「何気持ち悪い事してんだよ変態…!!」

「あぁん?なんやねん眉毛弟。やるか?」


アントーニョ(20)。三男で妹とロヴィーノ・フェリシアーノを溺愛している大学生。
バイトと野菜の栽培が趣味で何故か関西弁。


「ったく…何を朝から喧嘩しているんだお前らは…」

「ルッツ!おはよう〜。フェリはもう起きた?」

「おはよう姉さん。今母さんが起こしていると思う」

「また遅刻しないといいんだけどねー」


ルートヴィッヒ(15)。七男で兄弟の中で一番落ち着きをはらっているムキムキ。


「グッモーニン名!!清々しい朝なんだぞ!!」

「うわっ!!ちょっと重いから!!背中に圧し掛かるのやめろって言ってるでしょーがこのメタボ!!」

「OH!!俺はメタボなんかじゃないんだぞ!!」

「アル〜!お姉ちゃんが嫌がってるてるからやめてあげなよ…!!」


アルフレッド&マシュー(14)。九男と十男の双子で顔はソックリだけど性格は正反対。
姉を溺愛しているアルフレッドはいつも姉の傍にくっついている。


「ったくもう…みんなのせいでまた遅刻しちゃうじゃんか!!」

「ん〜今日も可愛いなぁ俺の妹は…ハァハァ」

「ぎゃぁああああああ!!!!」

「何してんだよヒゲぇええ!!」

「何俺の名の尻さわってんねんフランシス!!名のお尻は俺のもんやで!?」

「フランシス…どうやらお前は朝から血を見たいようだな…」

「くたばれヒゲ!!」

「ちょっ…お前らなんでお兄さんに暴力的なの…ただ可愛い妹とのスキンシップしてるだけなのに!!」


フランシス(21)。次男で髭の変態。


「眠いぞちくしょう…」

「ヴぇえ!!遅刻しちゃうよぉお!!」

「おはよーロヴィーノ、フェリ」

「ヴぇー姉ちゃんだ!!ハグしてー!」

「なっ、俺が先だ馬鹿弟!!お前はムキムキに抱きついてろ!!」

「やだよー俺だって柔らかい姉ちゃんの方がいいもん〜!」


ロヴィーノ(16)。六男の高校二年生。
ナンパが大好きだけど一番好きなのは姉。
三男のアントーニョに懐いている。

フェリシアーノ(15)。八男で甘えん坊な高校一年生。
パスタとピッツァと女の子が大好きでいつも歌うかシエスタしているマイペースな子。


「ぷふっお前ら超ガキなのですよ!!」

「朝からなにやってんでぃ。さっさと飯食って学校行きやがれ」

「おはようお父さん!!今日は帰り早いの?」

「いや、今日は部下のやつらと飲んでくっから遅くなるぜ。母ちゃんのいう事聞いて良い子にしてたら土産買ってきてやらぁ」

「うん!!」


サディク(?)。大家族の大黒柱。
娘を可愛がり娘に好かれている今時珍しいお父さん。
江戸っ子口調で粋の良いおやっさん。

ピーター(12)。末っ子の小学生。
生意気な口調で話す可愛い男の子。
顔はアーサーにソックリ。


「名から離れろ、変態親父」

「ぶわっ!!なにしやがんでぃ!!」

「ヘラ兄ちゃんおはよう」

「名…こいつに近づいちゃダメ…おっさんが感染する、から」

「するかこのドラ息子!!」


ヘラクレス(22)。長男で社会人で父を嫌っている。
昼寝と猫と妹と気持ちいい事が大好き。


「ほらほら、喧嘩しないでさっさと朝ご飯食べてください」

「「はーい」」

「あと起きていないのは…」

「ギルが居ないですよー」

「ったくもう…ギルベルトさんはまたお寝坊ですか…」

「だからプー太郎て言われるんやんあいつー」

「私ちょっと起こしてくるよ」

「お願いしますね」


ギルベルト(17)。四男で三つ子の真ん中。

不憫。



「起きろプー太郎!!遅刻するぞ!!」

「…ねみぃ」

「さっさと起きないと朝ご飯食べられないよ」

「いい…今日学校サボる」

「愛しのエリザに会えないよー。またローデさんにとられちゃってもいいの?」

「いい…さむっ」

「うわっ!?ちょっ、布団に引きずり込まないでよ制服皺になるでしょーが!!」

「お前…相変わらず胸ペタンコ」

「…お父さぁああん!!ギルが私を布団に引きずり込んで厭らしいことするぅうううううう!!!」

「ばっ!!やめろアホ女!!そんな大声出したらあいつら全員…!!」


―ドドドドド


「うおらぁあああ何やってんだプー太郎ぉおお!!!」

「名ーーーっ!!今兄ちゃんが助けたるさかいなーっ!!」

「ずるいぞギルベルトォオオオ!!俺もまぜてくれよ!!」

「シー君も一緒に寝るですよー!!」

「姉貴に手ぇ出してんじゃねーよコノヤロー!!」

「兄さん…成仏してくれ!!」

「ヴぇー俺も姉ちゃんとシエスタしたいよ〜!!!」

「ハァハァお兄さんも名に厭らしいことしたいよ!」

「きもちいことはいいけど・・・名はダメ」

「ぎ、ギル兄さん〜ダメだよ〜!!」

「何やってんでぃ馬鹿息子共ぉおおお!!」

「はぁはぁなんて素敵な朝のお約束ぅうう!!ハッ…!!ビデオをまわしている場合じゃありませんでした!!皆さん早くしないと本当に遅刻しますよ!!」

「じゃ、私は遅刻したくないから先に行くね」

「名さん…あなたと言う人は…。この乱闘どうすればいいんですか!」

「ファイトーお母さん!いってきまーす!」



そんな大家族アドナン家の朝。




2009.11.11





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