※本当にぬるいですが少しエロ(変態)シーンがあります








「いいですか、名。貴方も女性なのですからもっとおしとやかになさい。なんですかそのだらしない格好は!」

「キャミソール一枚とホットパンツ」

「説明しろと言っているんじゃありません!家族とは言え二人の男性が居る前でそのような破廉恥な格好は許しませんよ!上だけでもいいから何か羽織りなさい!」


プスプスと頭から湯気をたたせるローデリヒ。
私の部屋からTシャツを持ち出して勢いよく頭の上から被せる。
ぼさぼさになった髪を撫でるように整えられ「これでいいでしょう」と頷かれる。

ローデリヒはまるで私の母親のような存在だ。


「ギルベルト、貴方もだらしない格好などせずちゃんとシャツを着たらどうですか。名がに悪影響ですよ」

「うっせーな坊ちゃん!あちーんだから別にいいだろ〜。ルッツのやつが環境対策とかでクーラーつけさせてくんねぇからよ。当の本人はでけてやがるし…自分は今頃どこかで涼んでんだぜきっと」

「ならこれを使いなさい。先日日本に沢山いただきました」

「なんだよこれ…」

「うちわというものらしいです」

「なんかアニメの絵描いてあんだけど」

「兄さん、それ菊の絵だ…この間それ描いてるとこ見たから」

「あいつ何やってんだよ…誰だよこの美少女…」


”コミックマーケット!”と書かれたうちわで扇ぐ兄さん。
私も暑いので兄さんの隣にくっついてうちわの風のお零れを貰いに行くと「暑い」と文句を言われた。


「仕方ありませんね。私はキッチンでケーキを焼いているので貴方達は庭で水浴びでもしなさい。あの子達も暑さに限界のようですし」

「ベルリッツたち…バテてるね…」

「よっしゃ!庭行こうぜ名!」

「うん!」


机の下でだらけているアスターとブラッキーとベルリッツを連れて外に飛び出した。
ルート兄さんが庭の花の水遣りに使っているホースでアスターたちの体に水をかけてやると楽しそうにはしゃいでいた。


「名!」

「なんだにっ、ブッ!!」

「ケッセセセセ!油断してっから水かけられんだよ!悔しかったらお兄様に勝ってみやがれ!」

「……」


私の名前を呼び振り向きざまに顔目掛けて水を放つ兄さん。
その高笑いにどこかの線がプチンと切れる音がして、こんな平和な時代になってからは滅多に目覚める事のなかった先頭意欲が私の腹の底からわきあがってきた


「兄さん…私を怒らせたらどうなるか分かっていないようだな…」

「ふぁ…?」

「この私を誰だと思っているんだ?いいだろう、兄さんと言えど容赦はしない…!」

「ちょっ、待て名!落ちちゅっギャァアアアアア!!!」

「今だ!!かかれアスター、ブラッキー、ベルリッツ!」

「ワンッ!!」


ジェットノズルで兄さんの頭を攻撃し、怯んだ所をアスター達に襲わせる。
彼らが兄さんの体をの上に乗った為に兄さんは身動きが取れない状態となった。


「ちょっ、どけお前ら!動けっ…!」

「ギル兄さん」

「…っ!!」

「私の勝ちだ」

「……お前に喧嘩うった兄ちゃんが悪かったよ…」

「分かればいい」


アスター達を兄さんの体から退かせ、地面に転がったままの左手を兄さんに差し出す。
ぐっと手首を掴まれ「しまった」と思ったときには既に遅く、子供の頃には何度怯えたか分からないその恐ろしい笑みに背筋が凍った。


「だからお前は甘いって言ってんだよ!!」

「っ…!」


形勢逆転。
体を地面に押しつけられ、背中に跨るようにした兄さんの体の重みが圧し掛かる。


「お前なぁ、いくら俺様だからって油断しすぎじゃねーか?もしこれが戦場だとしてみろ、次は殺られるか…女のお前なら犯されるかのどっちかだな」

「ここは…戦場じゃないし、私はそんなに馬鹿じゃない」

「そうか?例えばこうやって後から胸触られたりしてみろ、なんの抵抗もできないぜ?」

「ちょ…にいさっ…!」


後から弄るようにして兄さんの二本の腕が地面に押し付けられた私の胸を掴む。


「やっぱ超やわらけー…お前もハンガリーも何食ったらこんだけでかくなんだよ。今度リヒテンシュタインのやつに教えてやれ」

「やめっ…兄さん!」

「流石俺様の妹なだけあって顔も良けりゃ胸の形も俺好みだぜ!!」

「やだ、うっ…うわぁああああああああん、ルート兄さぁああんローデリヒィイイイ!!!」

「ばっ、馬鹿お前!大声出すんじゃねーよ!!」

「んー!!」


胸にあった手で口を塞がれる。
何の抵抗もできない事に悔しくてじわりと涙だ出てくるのと同時に、前方と背後からもの凄い殺気を感じた。



「兄さん……いったい名に何をしているんだ……」

「ふぁ…?る…ルッツ……」

「何をしているんだと聞いているんだ」

「え、いや、これはあれだ!兄妹の絆を深め合ってるっていうかその、ただのお遊びだっつーの!」

「私にはそうは見えませんが」

「俺もローデリヒと同意権だ」

「お、落ち着けヴェスト……話せば分かる」

「話す余地などくれてやるとでも思ったか!!!」

「ギャァアアアアアアア!!!」


「名、こっちにいらっしゃい。一緒にケーキを作りましょうね」

「うん」



本日猛暑日



(なんで俺だけいつもこんな目にあうんだよ!?)

(日頃の行いが悪いからだ)

(名、ケーキもう一ついかがですか?)

(うん。ローデリヒのケーキ大好き)

(これで作る時に爆発音さえしなければな…)

(お黙りなさい)





2010.8.6





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