「はぁ!?こいつも社員旅行に連れて行くって正気かよお前!?」

「正気も正気。ギル一人残す方が不安で仕方が無いよ」

「そりゃぁそうだけど…。いや、仕方なく無いだろ!!」

「うるさいなぁアーサーは。ご飯ぐらい静かに食べようよ。あ、ギルまたほうれん草残してる」

「これは食い物じゃない。草だぜ、草」

「テメェほうれん草に謝れ。ちゃんと食べないと清水の舞台から突き落とすからね」

「名前。せめて二年坂で転ばせる程度にしてやれよ」

「余命があと二年になっちゃうねぇ〜ギル」

「はぁ?わけわかんねー」


ちなみに二年坂で転ぶとあと二年しか生きられなくなるという迷信があるらしい。
まぁいくらギルでもそんなドジはしないよねぇ〜アハハ。


「あ。アーサーおかわりいる?野菜カレー」

「ん。最近お前カレー作るのが上手くなってきたよな」

「うそっ!?うわ〜アーサーに褒めてもらえるのって喜んでもいいのかな!?」

「どういう意味だコラァ…」

「だって料理センス破壊的だし?まぁ美味しいって言ってくれるのは嬉しい。ありがとね、アーサー」

「べ、別にお前を褒めてるんじゃなくて俺はこのカレーを褒めてるんだからな!!」

「めちゃくちゃ言ってんぞお前」

「ギルもおかわりいるー?」

「いる」

「はいはーい」


今日はカレーが大人気だなぁ〜。
余りそうだからタッパーに入れておいてアーサーに持って帰ってもらおう


「あ。そういえばアーサーって八ツ橋とか食べられる?」

「あー…ダメだな」

「外国の人ってあのニッキ臭さが苦手なんだよね〜。美味しいのになぁ」

「できれば土産は京菓子にしてくれ」

「了解。美味しいの買って帰るからね期待しててね!」

「あぁ」


二人に二杯目のカレーを渡すとアーサーが上品に、ギルは相変わらずぐちゃぐちゃにしてからカレーを食べていた。
なんというか、食べ方一つで国民性が出てると言いますか…


「旅行のお土産どれぐらい買って帰ればいいだろ…。アーサーと菊さんとエリザにローデリヒさん…あとトニーさんとフランシスさんもだなぁ。それからイヴァンさん達にも買って帰らないとね!」

「イヴァンさん…?」

「ほら、変態フランシスさんから私を助けてくれた人!すっごくいい人で優しいし純粋そうだし。それにどこかの社長さんなんだってー凄いよね」

「イヴァン、か…。どこかで聞いたことのある名前だな」

「会社関係じゃない?」

「まぁ、そうだといいけどな」


なんだか意味ありげにそう言ったアーサーが気になったけど、気にする事はない。
それより今は四日後の旅行が楽しみで仕方が無いのだ。
ギルとの初めての旅行にもなるし、めいいっぱい楽しめそうだしね!!
皆にお土産何がいいか聞いておかなきゃな〜!!


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