ドイツ時間12日の23時に出発し、日本時間13日の夕方。無事、日本に帰国した。

帰ると真っ先に本田さんの家に向かい、私達の帰りを待っていた皆に「ただいま!」と満面の笑みを見せた。

皆が私にお帰り、お帰りと喜んでくれて、トニーさんやフェリ君やエリザに泣かれてしまって…。
本当に心配かけちゃったね、皆…

私にとの抱擁を交わした後、一目散にギルを囲んだトニーさんやエリザ、スーさんまでもが加わったメンバーに取り囲まれたギルは「いや、マジで悪かったって思ってる!!だからやめ、嫌ァアアアアア!」と叫び声を上げた。

その間私は本田さんにそっと抱きしめられて、少し嬉しくて涙が出そうになったのはつかの間。
耳元で「念願の名前さんのとのハグ…ハァハァ」と聞えた瞬間音速の速さで本田さんの体を突き放した。

アルフレッド君がなかなか私にしがみついて離れてくれないままに時間はあっという間に過ぎ、庭先でうつ伏せに倒れたまま動かないギルを除いての全員で夕食を食べた。

エリザの「明日皆アンダンテに来てね。もう過ぎちゃったけど、本田さんとアントーニョさんの誕生日と、名前のお帰りパーティーをしましょう!お店を貸切って皆でお祝いしなくっちゃ!」と言う呼びかけに全員が「よっしゃぁああ!」と大いに喜んだ。

また明日と、皆と別れ、よろよろと歩くギルとアーサーと一緒にいつものマンションへと帰る。




「アーサー…」

「ん?」

「ありがとね。それから迷惑かけてごめん」

「ばぁか。別にお前の為にしたんじゃなくて、俺の為なんだからな」

「はいはい」

「…それじゃあまた明日な」

「うん。おやすみ、アーサー」

「あぁ…」



ガチャン。アーサーの部屋の扉が閉まるのを確認し、私達も家の中に入る。

いつの間にかギルの頭の上に乗っていたピヨちゃんが先頭を切ってリビングへと飛んで行った。




「……ただいま…」

「お帰り」

「……ただいま」




あの日、ギルが去ったドアの前で。

今、帰ってきたドアの前で。


ぎゅっと体を抱き寄せられ、そっと重ねられた唇に、私もそっと目を閉じた。




「おかえりなさい、ギル」




もう、泣いてもいいよね。


今度は悲しみの涙じゃなくて、


喜びで流す、涙で





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