「そういえばもうすぐ社員旅行ですよね」

「え…?」

「え…って、名前さん忘れちゃってたんですか?今度の17日と18日ですよ?」

「そういえばもうそんな時期なのか…。今年は何処に行くんだっけ?」

「確か僕達は京都だったと思います。人数が人数なので部署に分かれますからね」

「へぇー。中学の時に修学旅行で行ったなぁ」

「僕は日本に着たばかりのときに観光しましたよ!スーさんはどうです?」

「俺ははずめてだない」


そうか、社員旅行かー。去年は上司が酔って暴れてスーさんと喧嘩おっぱじめちゃったんだよなぁ…。
私とティノ君でなんとか止めたけど…
今回はあんな事にならないようにしないとな、うん。
デンさんには酒を控えてもらわないと


「ふふふ、楽しみだなー。カメラ持って行って景色とらなきゃね。桜はまだ咲いてるのかなー」

「咲いてるといいですよねー!!あ…。その前に花たまごを預かってるれる場所を探さないと…。この辺りでいいペットホテルご存知じゃないですか?」

「確か駅前のビルにペットホテルがあったような…。って、あ…」



社員旅行の間、ギルどうしよう…



―――



「ただいまーギル〜」

「おぉー」


いつもより声が遠い。さてはあいつまた私のベッドでくつろいでんな…
最近ギルは私のベッドを気に入ったのか、事あるごとに無断で使っている。
漫画を積み重ねてベッドでゴロゴロしながらよんだりそのまま昼寝したり。
ちくしょう、自分のソファー使えよな


「ギル!!てんめぇまた人のベッド使いやがって!!」

「いいだろ別に。こっちのが寝心地いいんだよ。夜はあの硬いソファー使ってやってんだから昼間はこっち使わせろ」

「ああん?居候のくせにいちいち贅沢なんだよ。ほら、着替えるから漫画持ってリビングに行け」

「べつに心配しなくてもテメェの着替えなんて頼まれても見ねーよ!!」

「そうか。じゃあさっさと出て行け巨乳バカ!!!」

「いでぇ!!蹴るなよ暴力女!!」


寝転んだままのギルの背中をげしげしとけり続ける。
「ちくしょー」だのと文句を言いながらギルはリビングへ戻っていった。


「さてと…着替えてゆっくりしよう」


あ。ギルに社員旅行の事話しておかないとなぁ



「ギルー」

「んだよ」

「あのさ。私今度の17日と18日に泊まりで京都に社員旅行に行くんだよね」

「はぁ?マジかよ」

「マジだよ。それでさ、ギルを置いていくのは不安だから家族って事にして一緒に行くように会社に言っておいたから」

「はぁあああ!?」

「私の弟って事になってるからね。上司に何か聞かれても弟だって言い張るんだよー」

「ちょっとまて!!ちゃんと説明しやがれってんだよ!!なんで俺まで一緒に行かなきゃならないんだ!?」

「だってギルを一人で置いていくのは不安だし。本田さんのとこにお世話になるのもいいけど、ちょうど原稿の締切日あたりじゃない?迷惑かかっちゃうし。その他の手段も考えてみたけど結局一緒に行くのが一番いいと思ってさ」

「俺とお前が姉弟で?」

「姉弟で」

「どう見たって逆だろ」

「不満なのはそこか。そんなのどっちだっていいの。ともかくあと一週間だからね!ちゃーんと準備しておくんだよー」

「ちょっと待て!家族扱いって事は部屋やら何やら全部お前と一緒かよ!?」

「そんなの今更じゃね?」

「そうだけど…」


何が不満だって言うんだ
美味しい料理がタダで食べられて観光もできて温泉にも入れるんだぞ!!
こんな機会めったにないんだからギルにも堪能してもらわないとね


「ちゅーわけで、来週は社員旅行でエンジョイすんぞ!!夜はUNOしようねUNO!!」

「お前は修学旅行生か!?」

「去年わりと盛り上がってさー。オールナイトでUNOったよ!」

「UNOったって何だよ変に略すな!!」


あぁー!今から楽しみだな、社員旅行!!








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