「バッシュさんのお蔭でギルベルトさんはドイツに居るという事が分かりましたが…」

「行きます、ドイツに!今すぐにでも…!」

「まぁ先に朝ご飯食べてからにしようや。親分とフランシスが丹精込めて作ったで〜!」

「こんな人数分の料理一度に作るの久しぶりだったよ…流石のお兄さんもくたくた。テーブルに並べてあるから皆で食べよっか」

「ありがとうございます」


居間戻るとルート君やエリザがもう食卓についているところだった。
腹が減っては戦はできぬ、ってやつだよね。
しっかり食べておかないと。


「あれ…私の分が無いんだけど…あれ…?」

「え?ちゃんと人数分用意したはず何やけどなぁ…」

「誰か知らない?」

「俺は知らないぞ」

「ヴぇー!俺も知らないよ〜!」

「俺も知らないぞちくしょー」

「私も知りませんよお馬鹿」

「私も知らないわ」

「俺も知らないからな!」

「俺は食べて無いぞ!!だからそんな疑った目で見ないでくれよアーサー!」

「ぼ、ぼくも食べてないです…」

「僕も知らないよ〜。ウフッ」

「じゃあ何で私の分が……って、あれ…?」

「フランシス君の作った料理美味しいよね。僕すっごく好きだなぁ〜」

「え、ちょっ、イヴァンンン!?」

「うヴぇええええええ!!!」

「なんで貴様がここに居るんだ!」


当たり前のように皆と食卓につきお茶碗を片手に持っているイヴァンにその場に居た全員が驚いた。


「い、何時の間にそこに居たんだよお前…!?」

「勝手に上がっちゃってごめんね本田君。風の噂で名前が困ってるって聞いて母国から大急ぎで戻ってきちゃった」

「風の噂って何!?」

「アイヤァアアアア!!!名前はここに居るあるか菊ぅうう!!」

「うわっ、ちょっと何なんですか貴方は!!」

「耀さん!?」

「風の噂でお前が大変な事になってると聞いて香に店押し付けてきたあるよ!」

「だから風の噂って何!?」

「名前ーー!名前のおっぱいの起源はおr「はぁ?意味わかんない。いっぺん死んでこれば」

「おはようございます名前さん…って、うわぁあ!皆さん勢揃いですね…!」

「んだな」

「生きてんべか名前!」

「あんこうざい」


って、何で皆一斉に来るわけ…!?」


「あの、こんなに沢山きたら本田さん家の床抜けちゃいますよ…」

「っていうかなんで皆集まってるん?」

「名前の様子見に着たんだっぺ」

「仕事してください上司」

「ああもうこんなに沢山…フランシスさん、朝食作り直すの手伝ってください!」

「本田さん、律儀に朝食出さなくていいですから…」

「我もお腹すいたあるよ」

「貴方の分はありませんから」

「なんであるか菊ぅうううう!!」


なんか本田さんの家が宴会場みたいになっちゃったよ…。


「で、ギルベルト君を連れ戻しに行くの?ドイツに」

「イヴァン…なんでその事知ってるの!?」

「僕はなんでも知ってるよ。行くなら早い方がいいよね…僕が連れてってあげようか?」

「え…!?」


私の分の朝食をもぐもぐと食べながら「もしもしトーリス、ドイツまで行きたいんだ。一番速いやつ今すぐ用意して」と電話をかけるイヴァン。


「自家用飛行機ならうちの会社にもあるんだぞ、名前!」

「普通の自家用じゃ一気に飛べないよ」

「でもイヴァン…」

「…早くギルベルト君に会いたいんでしょう?」


ふんわりと優しい目つきで私を見たイヴァンに大きく首を縦に振ると、「パスポートだけ用意してくれれば後はこっちでなんとかしてあげるから」と両手で私の頬を包み、むにむにと指を動かされた。


「ありがとうイヴァン…」

「名前は僕の一番の親友だからね。ギルベルト君はどうでもいいけど名前が悲しむのは見たくないからさ…」

「どうでもいいって…ギルが聞いたら怒るよ…」

「負ける気がしないなぁ」


ふふふ。と笑うイヴァンにもう一度「ありがとう」と伝える。


「俺も一緒に行くんだぞ!」

「定員オーバーだよ。行くのは僕と名前とルートヴィッヒ君と…それからアーサー君、かな」

「なんでアーサーが良くて俺はダメなんだい!?」

「ふふ。だって君重そうだもん。飛行機が沈んじゃうじゃない」

「……名前、こいつ今から東京湾に沈めてきてもいいかい?」

「いや、ダメだからね。今回は我慢してよ、アルフレッド君…」

「一時間で用意してね」

「あぁ、分かった…」

「それじゃあ家に戻って準備してくるよ…!」

「早く用意しろ!もたもたしてっと置いて行かれちまうっぺ!」

「置いていかれるって…」

「名前、あんこは俺が黙らせとくから気にするでね」

「僕たちに恥じかかせないでよね」

「ゴファッ」


鳩尾に拳を入れられるデンさんの助けを呼ぶ声を無視し、アーサーと共にマンションに向かった。






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