「名前さんこんばんは。この間いただいたコロッケのお礼にこれを差し上げようかと…」

「こんばんはー本田さん。あれ…これなんですか?」

「今日秋葉に行ってきたので…名前さんにとっても似合いそうなメイド服があったのでお土産にと「帰れ」


玄関のドアと閉じて鍵をしっかりかけると、外からドンドンと扉を叩く本田さんが「あああ嘘です!!本当はとっても美味しいケーキですから爺を締め出さないでくださぁああい!」と叫んだ。
近所迷惑だよ…。


「ふぅ…危うく渡しそこなう所でした…。ではこれをどうぞ」

「わー。ありがとうござます!」

「それでは失礼させていただきますね」

「あ、夕飯一緒にどうですか?今日は亜細亜飯店の料理テイクアウトでいただいたきたんですよー」

「う…亜細亜飯店ですか…。しかし名前さんと夕飯をご一緒させてさせていただくのに背に腹は変えられません…」

「…そんなに耀さんが嫌なんですか本田さん」

「立て続けに何度も留守電に”帰って来いある!”とメッセージを入れられてみなさい。嫌にもなりますよ」

「……」


そんな事してるのか、耀さん。


「こんばんは、ギルベルトさん。お邪魔しますね」

「おー本田。昨日お前が貸してくれた漫画すっげぇ面白かったぜ!」

「そうでしょう。私の今一番の一押し漫画ですからね!!私がこの漫画を知った時既に三巻まで発売されていたから驚きでした…。世の中にはまだまだ見たことの無い素敵な漫画がたくさんあるのでしょうね…。私はその全てを読みつくす男になる事が密かな夢なのです」

「ほ、本田ぁああ!!」

「ギルベルトさんっ…!」

「はいはいイチャつくのは他所でやってねー。晩ご飯食べましょう!」


二人の間を裂くように机の上に料理を並べてく。
うーん、美味しそう!


「それではいただきまーす!」

「いただくぜ!」

「いただきます」


うーん…亜細亜飯店のエビチリ、最っ高…!!
もう本当にうちに嫁に来てくれないかなぁ香君!!
お姉さんいつでも大歓迎しちゃうよ!!


「香さん腕を上げられましたね…彼は小さな頃から料理の修業をさせられていましたから」

「そうなんですか」

「えぇ…ヨンスさんも小さな頃から耀さんの後をついて回っていましてね…。あの頃は皆小さくてとっても可愛かったんですよ」


懐かしそうに微笑む本田さん。
昔は皆一緒に居たんだもんね…。
本田さんはなんで耀さんの元を離れちゃったんだろう…。
まぁ、本田さんにも色々事情があるんだよね。


「本田さん、私のから揚げ一個あげます」

「おや、どうしてですか?」

「日頃頑張っている本田さんへの労いですよ」

「名前さん…」


私のお皿からから揚げを一つ本田さんのお皿に移し、にっこり笑う。
感動したように頬を少し赤く染めて私の顔をじっと見つめた本田さんが、震える唇を開いた。


「労いしてくださるというならどうかこのメイド服を着て一言”兄ちゃん”と呼んd「調子にのんじゃねーぞ」…すみません


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