「ギルベルトさん昨日誕生日だったんですか〜。うわぁ、知ってたら何か用意してたのになぁ…」

「いいのいいのそんな気を使わなくても。私からのプレゼントも要らないって言ってたぐらいだしね」

「それが理由で昨日早く帰っでたのか…」

「まぁそういう事です」


苦笑いを浮かべるとうっすら笑顔を浮かべたスーさんが「幸せもんだない」と呟いた。


「お昼何食べようかな〜。亜細亜飯店の料理美味しいからつい食べ過ぎちゃうんだよね…」

「あ、分かりますよそれー。僕もここの料理大好きですし」

「うーん…今日はラーメンにしようかな」


今日は三人で外にお昼を食べに行こうという事になり、向かった先はいつもの亜細亜飯店。
お昼には満席になるほど人気の店だけど、いつも耀さんが適当に席空けてくれるんだよね〜。
とても感謝です。


「あいやー。いらっしゃいあるよ」

「こんにちはー耀さん」

「名前!!久しぶりねっ!」

「湾ちゃん!久しぶりだね〜!元気だった?」

「もう学校とか色々忙しくってさぁ…。名前やエリザさんと一緒に遊びたいのになかなか時間がなくって…こうやって店も手伝わせられるし」

「なにペラペラ喋ってるあるか!!さっさと席案内するあるよ小娘!」

「もーうるさいなぁ…」


相変わらずだなぁここの皆は…。
少し厨房の方を見ても忙しそうに香君も働いてるみたいだし。

適当に料理を注文し、てきぱきと料理を運んできてくれた湾ちゃんにお礼を言って料理に舌鼓を打った。

やっぱり美味しいよここの料理…!
流石香君…お嫁さんにしたいぐらい料理上手だよ…!!
また今度ギルに持って帰ってあげよっと。


昼食もすまし、午後もいつものデンさんの軽いセクハラ発言も華麗にスルーして仕事を終わらせた。

会社を出たところでタイミングよく携帯が鳴りはじめ、名前を確認せず通話ボタンを押した。


「もしもし」

『俺だ!』

「俺なんて人知りません。オレオレ詐欺ですか。今の時代あんまり通用しないよーそれ」

『ちげーよバカァ!アーサーだよアーサー!!急に急に出張に行くことになっちまったんだよ…。だから数日留守にするからな』

「はいはい、了解しました。今回はどこに行くの?

『親父の居るアメリカにな。ったく、行きたくもないってのに…』

「そう言わないの」

『あ、あとさ…。今度でいいんだが…俺の親父に会ってみないか…?』

「は…?」


何を言ってるんでしょうかこの眉毛様は。


「なんで!?」

『いや、その…だって一度会ってんだし大丈夫だろ?』

「いやいや、確かにアルフレッド君達の誕生日でお会いしたけど私あの時酔ってて全然覚えてないんだから!」

『じゃあ尚更じゃねーか。今度日本に帰ってくるって行ってらから時間あけてもらえるよう俺から言っておく。それじゃあ今から飛行機にのるからまたな!あんまり俺が居ないからってプー太郎にベタベタさせんじゃねーぞ!』

「ちょっとアーサァアアア!?」


一方的に電話を切られてしまった…。
ちょっと待ってよ…アルフレッド君のお父さんって業界的にもすっごく有名な人じゃん…そんな人に会うなんて無理だよ…!!
まったくもう…強引なんだからなぁ…。
まぁなるようになるか。

駅に迎えに来てくれたギルと一緒に買い物を済ませ、家に帰るとテーブルの上になにやらDVDが沢山並んでいた。
「これなに?」と聞くと、嬉しそうな顔で「本田が俺様にってプレゼントしてくれたんだぜ!」と返ってきた。
アニメのDVDボックス…。やるなぁ本田さんも。

そういえば昨日の夜、ギルがプレゼントに一つだけ願い事聞いてくれーとか言ってたけど…。
今はまだいいのかな。
まぁいつでもいいんだし急ぐことでもないか。

夜は本田さんにもらったDVDを見ながらの夕食となった。
私にはよくわかんないけど何かのロボットアニメらしい。
いや、ロボットの名前とか言われても分かんないよギル。
私が話しかけても集中しているのか無視するし…。
本田さんめ…余計なものを贈ってくれちゃったなぁ…。


.


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -