「名前ちゃーん!親分サンタが来た、って…うっひょぉおおおおお!!!サンタさん、めっちゃかわええサンタさんがおる…!!」

「メリークリスマス、トニーさん!」

「ちょっ、なにこれ…めっちゃかわええ…俺のクリスマスプレゼントなん?サンタさんからのサンタのプレゼントなん…?」

「いやいや落ち着けってトニー!」

「はい、トニーさんにもクリスマスプレゼント!」

「え…名前ちゃんが、俺に…?」

「うん。大した物じゃないんだけどね…」

「名前ちゃんが…俺だけに・・・」

「いや、お兄さん達も貰ってるから!!」

「ありがとうなぁ名前ちゃん…俺一生大事にするで…!!」

「いや食べ物だからね。できれば今日中に食べてほしいぐらいだからね」

「冷凍にしたらもつんとちゃう?」

「絶対にだめ!!」


トニーさん…恐ろしいことを考えるよなぁ…。
えーっと、まだプレゼントを渡してないのは…そういえばアルフレッド君達居ないなぁ。
一番クリスマスを楽しみにしてそうなのに…。


「ねぇアーサー。アルフレッド君とマシュー君は?」

「あぁ、なんでもサークルでクリスマスパーティーがあるとかで遅れてくるって言ってたな…。時間的にも来られるか分からないみたいなんけど、どうしても来たいから無理にでも抜けてくるってさ」

「あらまぁ…べつにそこまでしなくても…」


そんなに楽しみにしてたんだ、アルフレッド君…。
来られるといいけどなぁ…。


「モイ!名前さん、メリークリスマス!!って、今朝も会社で言いましたけどね」

「これ、プレゼントだけっども…あんま期待すんでねぇぞ」

「ティノ君スーさん!うわぁ、ありがとう!!」

「僕とスーさんで共同のプレゼントなんですよ!それにしても名前さんのその服可愛いなぁ…本当のサンタクロースみたい!」

「ティノ君の方がそれっぽいと思うけどなぁ…。サンタの国だしね。あ、これ私からプレゼント」

「うわぁ、ありがとうございます!」

「おうおうやってんなぁお前らー!!」

「デンさん…ちょっ、肩組まないでくださいよ重い!!」

「俺にはプレゼントねーのけ?」

「ありますから!!腕退けてください!!セクハラで訴えるぞこの上司!!」

「ははは。俺のが強いし構わねーげど」


ちくしょう…デンさんめ…。


「デン…名前から離さないと許さないから」

「アイス君…!!」

「あんこ、アイスに嫌われるっぺ」

「チェッ…」

「名前、大丈夫…?」

「アイス君…!!今アイス君が正義のヒーローに見えるよ…!!」

「なにそれ…。あ、これ。プレゼント。受け取ってくれる…?」

「うわぁ…アイス君が私に…!!もちろんありがたく頂くよ!ありがとうアイス君!」

「んじゃこれは俺からだっぺ」

「え、デンさんからもあるんですか…?」

「高級なもんだから壊したりしたら大変だべ」

「ちょっ、そんなものプレゼントしないでくださいよ!!」

「名前、気にするでね。どうせあんこの金で買ったもんだべ」

「それもそうですねー」


三人にもプレゼントを渡し終わったし…。
ちょっと休憩しようかな。どこか座れる場所はっと…


「あれ。ギル、一人で飲んでるの?」

「んぁ?あぁ、今さっきまでルッツが居たんだけどな」

「ふーん…。まぁいいや、私も飲もう」

「あんまり飲みすぎんなよ!」

「いいじゃん、クリスマスなんだし。このワイン美味しい…!」

「ったく…酔ったお前をベッドまで運ぶの誰だと思ってんだよ」

「ギルベルト君」

「分かってんなら酔うほど飲むんじゃねーよ!!」


ギルが介抱してくれるって分かってるから酔うほど飲めるんだけどなぁ。
私だってお酒は嫌いじゃないわけだし。
やっぱり飲みたい時だってある。
まぁ自分は強い方ではないから進んでは飲まないけど…。ギルが居るなら安心して飲めるよね。


「こんばんは、名前さんにギルベルトさん」

「本田さん!遅かったですね」

「えぇ、少し用があって…。それにしても名前さんったらそのお姿…!!やはり私のチョイスは間違っていなかったようですね!!グッジョブ私!!」

「そういう本田さんもサンタの格好してるじゃないですか」

「はい。こんなもの着るのは初めてですよ…なんとなく動き辛くって」

「私もですよ。丈が短いからうかうかと前かがみにもなれやしない…」

「それは実に萌えます」

「一生言ってろ」


懲りない人だなぁ…。


「さぁ、そろそろケーキを切りましょうか!」

「ヴぇー!美味しそう!!」

「私が作ったんですよ…って、つまみ食いはおよしなさいフェリシアーノ!!」

「沢山あるから大丈夫よフェリちゃん。配るから待っててね」

「うーん、まぁまぁ美味しそうじゃん。まぁこのお兄さんが作ったものに比べたらまだまだだけど?」

「いちいち張り合うんじゃありません」

「美味そうやなぁ。甘いもんはいくらでも食えるでー!」


そろそろケーキの時間かぁ…。
アルフレッド君達やっぱり間に合わなかったね…。
イヴァンも来られなさそうだし…。


「ギル、ケーキもらいに行こうか」

「別に後でもいいんじゃね?」

「そう?じゃあ私も飲んでよっと」

「っていうかお前…その格好であんまりうろちょろすんなよ」

「…それもそうだね」


ギルの隣に座ってワインを飲む。
店内では皆が楽しそうに笑っている姿が見えて、こんなに楽しいクリスマスは初めてだなぁなんて自然と頬が緩んだ。

明日のクリスマス本番はギルとアーサーとのんびりケーキでも食べて、プレゼント渡して…。
やっぱりことしのクリスマスは特別なんだなぁ。
ギルに会って、皆に出会って初めて迎えたクリスマスなんだし…。
来年も再来年も、その先もずっとこうやって皆で楽しく過ごせたらいいよね。

不思議そうに「何笑ってんだよ」と首を傾げるギルに「えへへ。なんでもないよー」と返すと「酔ってんじゃねーか!!アホ!」と頭を小突かれた。



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