「あいやぁー。狭い部屋あるね。でもいい場所住んでるじゃねーあるか」

「褒めるか貶すかどっちかにしてくれませんか」

「俺は前にも来たことあるんだぜ!!兄貴、こっちが名前の部屋です」

「うわぁああ!!乙女の部屋を勝手に開けないでぇえ!!」

「いい歳して乙女はイタイあるよ」

「耀さんには言われたくないです。今お茶淹れますから大人しく座っててください」

「我は緑茶ある」

「俺はジャスミンティーがいいんだぜ!」

「俺は紅茶がいいみたいな」

「全く遠慮しませんねあなた達」


ぞろぞろと遊びにやってきた耀さんと香君とヨンス君。
香君のスイーツに釣られてつい招き入れちゃったけど…。ほんと遠慮しないよねこの人達…。


「おー。名前んとこのヒモあるね。久しぶりあるよ」

「ヒモじゃねえ!!」

「ちょっと見ない間に縮んだあるか?」

「ねーよ!お前まだアイスんとこの体育祭の事恨んでんじゃ…」

「今度戦った時は我が勝つあるよ!あの時はちょっと腰痛かっただけある!!調子に乗るんじゃねーあるよ小童!!」

「んだと爺!!」

「やっちゃってください兄貴!!」

「つーか煩いんすけど。テレビの音聞こえにくいっつーか聞こえない的な」


…やっぱり招き入れるんじゃなかったかな。


「そういえば名前。ここの隣はあの眉毛あるな?」

「そうですよ。お隣さんは眉毛紳士です」

「そうあるか…」

「何かアーサーに用でもあるんですか?」

「なんでもねーあるよ。そんな事より早くお前の小さい頃のアルバム持ってくるよろし」

「何でそんなもの見せなきゃなんないんですか!!」

「にーにはお前の小さいときの姿が見たいあるよぉおおお!!」

「兄貴、俺のブロマイドあげますよ」

「いらねーある!!香にでもやってろよ」

「全力拒否発動のターン」

「じゃあしょうがないから名前に100円で売ってやるんだぜ」

「要らないんだぜ」

「アイゴォオオオ!!」


少しの間冷やした香君手作りスイーツを皆で一緒に食べながら他愛のない会話に花を咲かせた。
話によると、本当は湾ちゃんもすごく来たがっていたけど学校が忙しくて来られなかったらしい。
頑張ってるんだなぁ湾ちゃん…。


―ピンポーン


「あれ、誰だろう…。ギル、ちょっと出てきてよ」

「めんどくせー」

「ったくもう…」


腰を上げて玄関へ小走りで向かう。


「こんにちは、名前さん。先日言っていたクリスマスの衣装をお届けにあがりました」

「本田さん。ありがとうございます。わざわざ来てもらわなくても取りに行きましたのに」

「いえ、届けに来たのは口実で担当から逃げてきたんですよ」

「またですか…。締め切り守ってあげましょうよ…」

「善処します」


本田さんの担当も大変だな…。いや、あの担当は…むしろ本田さんが苦労させられてるもんね…。


「おや、靴が沢山…どなたかお客様でも?」

「あ、はい。今ちょっと知り合いの人たちが…」

「知り合い、ですか…」

「はい。私がよくテイクアウトして帰ってる中華料理屋の亜細亜飯店の人たちです」

「………は?」

「いや、だから亜細亜飯店の人たちですってば」


私の言葉にピタリと動きを止める本田さん。
いったい何が…


「……す、すみません私急用を思い出しましたのでこれにて失礼!!!」

「名前、何やってるあるかー。早く来るよろ………」

「……あ…」

「……き、菊ぅうううう!!!!!」

「うぼぁぁああああ!!ちょっ名前さっ、バリアー!!バリアー貼ってくださいATフィールド発動ォオオオ!!!」

「え、ちょっ、何ですか!?」

「菊!!やっぱりここに居たあるね!!大人しく観念するよろし!!!!」

「いーやーでーすぅうううう!!!!」


え、何がどうなって、えええええ!?この二人知り合いなわけ!?


「何騒いでんだよ」

「ぎ、ギル!!何だかよく分かんないけどこの二人…」

「あ…菊サン」

「なんでここに菊が居るんだぜ!?」

「大人しくにーにのとこに来るよろし!!」

「何がにーにですかいい歳した爺が!!」

「お前に言われたくねーあるよ!!」

「名前さっ、私を連れて逃げてください!!できればブラジルまで私を背負ってプリーズ!!」

「無理ですから!!ちょっ、私の背中に隠れないでくださいよ!!」

「きーくぅううううう!!!」

「ああもうバルスバルウバルスゥウウウウ!!!」


いったい何がどうなって…
説明頼むよ誰か!!!





「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -