「おぉ、嬢ちゃんじゃねーか。久しぶりだねぃ」

「さ、サディクさん!!」

「そんなに驚くこたぁねーだろ。元気してたかい?」


会社から出てすぐの帰り道。
ぽんぽんと肩を叩かれ振り返ってみると、そこには久しぶりに会うサディクさんの姿があった。
相変わらず男らしくてかっこいいなぁ…


「はい、元気です!!サディクさんもお元気そうで…。もうお仕事は終わったんですか?」

「あぁ。今現場先からの帰りでねぃ。スーパーでジュース買って帰ってるとこさ」

「サディクさんもジュースとか飲まれるんですね」

「いや、これはうちのアパートに住んでるガキの分でよ。よく遊びに来るから買っておいてやろーと思ってねぃ」

「優しいんですね、サディクさん」


子供にも優しいなんて…本当にかっこいいよサディクさん…。
きっとサディクさんが旦那さんだったらきっと良いお父さんになるんだろうなぁ…。
って、私ってばなんて妄想を…!!


「今日もあのあんちゃんが迎えに来んのかい?」

「はい」

「へぇ…やっぱあいつと付き合ってんのかい、嬢ちゃん」

「いや、違います。家畜です」

「そいつぁいいこったぜ」


しばらくサディクさんとの会話を楽しみ、分かれる際に「ヘラクレスさんによろしく伝えてください」と言うととても嫌な顔をされた。
相変わらず仲悪いんだなぁ…。




「遅かったじゃねーか」

「ごめんごめん。サディクさんに会ってね〜。相変わらずかっこいいの」

「…なんか前にも同じような事なかったか…」

「あぁ、夜道で襲われた時…。懐かしいねー」

「懐かしいってお前…そんなに前でもねーだろ」

「月日がたつのは早いからなぁ。もう12月も半ばなんだよ?」

「まぁ、早いよな…」


もう直ぐクリスマスもやってくるし、忘年会やらで忙しくなるんだろうなぁ…。
ギルと一緒に迎える年末。
新しい年をギルと迎えて…。
来年もいい一年になりそうだ。


「年末は忙しくなるからね。ギルも覚悟しておきなさいよ!」

「マジかよ…めんどくせーぜ」

「大掃除とか任せたから。私忘年会とかあるし?家の仕事は全面的にギルに任せるよ」

「ルッツに手伝わせるか。あいつ掃除めちゃくちゃ得意なんだぜ!!」

「ギルだって上手じゃん。面倒くさいって言うわりに几帳面だから綺麗にしてくれてるし」

「まぁ俺様は手先が器用だからな!!」

「それ関係あるの…」


あと一週間とちょっとすれば仕事もお正月休みになるし実家にも帰らないとなぁ…。
今年は実家でお正月を迎えるのもいいかもしれない。
もちろんギルも一緒にね。
一人で寂しそうだったらアーサーも誘ってみようかなぁ…。
でもニューイヤーパーティーだとかで忙しいか。
帰ってそれとなく聞いてみよっと。


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