「トーイーレェエエエエ!!!ストップ、ストップしてくれよアーサーァアア!!」

「このクソ寒いのに初っ端からアイスばっか食ってるからそうなるんだよバカ!!!」

「もしもし本田さん!?アルフレッド君がお腹壊しちゃったからどこかサービスエリアに…。うん、この先一キロのとこですね。了解です。アーサァアア!!次のサービスエリア寄って!!アルフレッド君も我慢しなさい!!」

「あ、見てぇや名前ちゃん!あそこ川の流れ速いわー」

「え、どこだい?」

「ぎゃぁああアルフレッド君は川見ちゃダメェエエ!!」

「まったく騒がしいですね!!音楽が聞こえないではありませんか!!」

「いや、このメンバーで静かに音楽を聴こうとするほうが無理だと思うぞ…」


スキー旅行一日目、車内。
高速に乗って間もなく腹痛を訴えたアルフレッド君により早くもハプニング発生。
まぁこのメンバーで何もない方がおかしいとは思うんだけどね…。

ちなみにこっちの車に乗り合わせたのは運転手のアーサーと、アルフレッド君とトニーさんとローデリヒさんとルート君とフェリシアーノ君ロヴィーノ君とピーター君。
スーさんが運転する車には本田さんとデンさんノルさんにティノ君とマシュー君、エリザとギルとアイス君とフランシスさん。

皆団体行動ができない人ばっかだもんねー…。先が思いやられるよ。


「はぁ…」

「運転お疲れ様、アーサー。中で何か飲み物買ってこようか?」

「俺も一緒に行く。ちょっとお腹も空いてきたしな」

「そうだねー」


サービスエリアに到着するなり車を飛び出した外のメンバーの後を追うように車から降りた。
うーん、外の空気が美味しい!
毎度の事ながら男ばっかでむさ苦しいもんねー…。


「名前!」

「エリザー!」

「もう、名前が居ないからあっちの車内つまんないわ」

「ごめんねー。あれ、ギルは一緒じゃないの?」

「あぁ。あいつなら車の中で寝てるわよ。ふざけたこと言うから何発か殴ってやったら寝ちゃったのよ」

「そ、それって伸びてるだけなんじゃ…」

「それより名前、中で色々売ってるから見てみましょう!私皆で旅行なんて初めてだからわくわくしちゃって!」

「あー、うん。後で行くからアーサーと先に行っててくれる?」

「忘れ物?」

「まぁね」


まったくあの子は本当に不憫なんだから…。
ギルが乗っているもう一台の車に行くと、案の定後部座席で横たわっているギルの姿があった。


「ギルー。起きなさい。今のうちにトイレ行っておかないともう寄り道できないよー」

「う…頭痛ぇ…」

「大丈夫?エリザに殴られたんだってね」

「お前か…。ちくしょう、エリザが今夜名前と一緒に寝るのが楽しみとか言うからちょっと冗談で俺なんか何度も一緒に寝たことあるぜって言っただけなのに…。他のやつらも一緒になって殴ってきやがったぜ」

「お馬鹿。ほら、なんか買ってあげるから一緒に行こう」

「マジかよ!!アイスとジュース!!」

「お腹壊すよー」


ギルと一緒にサービスエリアの中に入れば各面々好きなように楽しそうに辺りを見てまわっていた。


「おいギル、お前もビール飲む?」

「おー、飲むに決まってんだろ」

「って…お酒買ってるんですかフランシスさん」

「寒い時にはこれってね。名前ちゃんも飲む?なんならお兄さんが口移しで飲ませてあげる」

「何言ってんねんお前。あんま調子乗ってたら雪ん中埋めるで」

「っていうかフランシスさん私に嘘つきましたよね。免許持ってるか聞いたとき無いとか言ってたじゃないですか」

「いやいや、免許は持ってるさ。しかし運転する気はないだけでさ」

「ほんと最悪だなこの髭」

「名前ちゃん、俺がその辺で沈めてきたろか?」

「うん、トニーさんは本当にやりそうで怖いからじっとしておこうね」


この三人は…。若い子達に悪影響だよ。


「名前!!アーサーがアイス買ってくれたんだぞ!!」

「シー君も買ってもらったのですよ!!」

「お前ら遠慮ってものをしらないよな…。ダブルならまだしもトリプル注文しやがって!!また腹壊しても知らないぞ!!」

「アルフレッド君回復早いねー。私もアイス食べたいなぁ…」

「だったらお前の分も買ってやるよ。何がいいんだ?」

「俺様チョコとバニラとオレンジ」

「お兄さんはバニラとストロベリーとグレープで」

「俺はトマトとオレンジとメロンでええでー」

「お前らには聞いてねーんだよバカ!!!」


皆でアーサーにアイスを買ってもらって再び車内へ戻った。
さぁ、スキー場まで一直線だ!!


「なぁ名前、お腹すいたんだぞ」

「って、さっきアイス食べてたじゃん!?」

「ヴぇー。俺もお腹空いたよ名前〜!!」

「もうサービスエリア寄ってる余裕ないよー…。しょうがないなぁ…」


鞄の中から朝食に食べる予定だったおにぎりを取り出して二人に与えると目をキラキラと輝かせた。


「まったくしょうがないやつらなのですよ。シー君だってお腹すいてるの我慢してるのですよ」

「ヴぇ。ごめんねー」

「まったくお前は…。到着するまで寝ていろ。その方が静かだ」

「ロヴィーノは寝てるわ〜。寝顔もかわええなぁー」


しばらく時間がたつと、だんだんそれらしい風景が見えてくるようになった。
朝も早かったせいか皆寝ちゃってるみたいだし…。
ついたら起こしてあげよっと。






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