「いつもお仕事を頑張っている本田さんに私からプレゼントがあります」

「なっ、なんですってぇえええええええ!?名前さんが私に!?あぁっ、今から赤飯を炊かなくては…!!」

「落ち着いてくださーい。はいこれどうぞ」

「…なんですかこれは」

「帽子です」

「見れば分かりますよそんな事。何故こんなきゃわゆい熊さんの耳がついた帽子を私に?」

「ギルに買ってあげたんですけど要らないって言うんですよ。なので本田さんに」

「要らない物をこちらに回すのやめてくれません?」


受け取った帽子をじっと見つめてしばらく口を閉じていた本田さん。
少し気が抜けたような表情でゆっくりと帽子を頭に被せる。


「うわぁ〜似合いますよ本田さ〜ん」

「棒読みやめていただけませんか」

「きゃわゆいですよ本田さ〜ん」

「爺をからかうと痛い目見ますよ」


ギロリと鋭い目つきで睨む本田さんに「冗談ですよ」と返すと溜め息をつかれた。


「さぁ、私も被ったのですから次は名前さんの番ですよ」

「いや、意味分かりませんから」

「動物耳と言えば萌えっ子の初歩中の初歩ではありませんか。以前さしあげた猫耳も捨てがたいですがこちらもきっとお似合いになられると思いますよ」

「思わなくていいですよ。それは本田さんに差し上げたので本田さんがどうぞ」

「いえいえ、名前さんがどうぞ」

「いやいやいやいや本田さんが」


いつの間にやら手と手を組んだ掴み合いの喧嘩になってしまった。
ったくこの人いい年して本当に大人げないんだから!!


「なぁポチ。マジで大人気ねーよなぁあいつら」

「わん」

「ポチはあんな大人になっちゃダメだぜ」

「わふっ」

「おいこらそこ聞えてんぞ!!」


結局本田さんに「おいたをする子はこうです」と額にデコピンをされてしまった。
ちくしょう…やっぱり敵わないなぁ本田さん…。
でもまぁ久しぶりに本田さんを困らせる事が出来たし良しとしよう。





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