「なんだか最近クリスマスの飾りなんかが目立ち始めましたよね。そろそろそんなシーズンなのかぁ…」

「ちょっと気が早いよねー。まだ11月なのに」

「イルミネーションも多くなってきましたしね。僕の故郷も賑わってるだろうなぁ…」

「ティノ君の故郷って…フィンランド?」

「フィンランドはサンタクロースの住んでる場所っで言われてんない…」

「そうなんですよー!だから今頃フィランランドのどこかでサンタさん達は大忙しなんだろうなって」

「そういう事かぁ。フィンランドのクリスマスは楽しそうだね!今年は年末休暇来月の23日からでしょ?二人ともやっぱり国に帰るの?」


デンさんが買ってきてくれたドーナッツの最後の一口を食べきった。
ティノ君に入れてもらったコーヒーを飲みながら三人でおやつの時間。
うーん、幸せだよねぇ…。


「夏にも帰ったし今年はこっちで過ごそうかなって思ってるんだけど…。スーさんはどうです?」

「ん。俺も同じぐ」

「そっか。なら皆でクリスマスパーティーとかやりたいね」

「いいですね!ハロウィーンもすっごく楽しかったですし」

「忘年会と日程がかさならないといいんだけどねー。デンさん何度もやりたがるからなぁ…」

「今年辺り幹事を任されそうで怖いですよぉ〜」

「そうか、それがあったか…。デンさんにティノ君が幹事やりたがってたーって言っておこうかな」

「ええええ!?酷いですよ名前さーん!!」

「ふふふ、冗談冗談」

「もー…」




―――




「あら名前。何編んでるの?」

「んー?」


アンダンテでコーヒーを飲みながら編みかけだったマフラーを取り出すと、焼き立てのローデさん手作りケーキを持ってきてくれたエリザ。
今日のも美味しそうだなぁ…!


「これ?これはマフラーだよ」

「えぇっ!?編んでるの!?自分で!?」

「うん。ちょっと挑戦してみようかなぁって…」

「だ、誰にあげるの!?」

「誰もあげるなんて言ってないよ…。いや、まぁ一応アーサーにあげようかなーとは思ってるんだけどね。あいついつも首元寒そうだs「ええええ!?そうなの!?アーサーさんだったの名前!?やだぁ…だってあの人…。いえ、あのじゃが芋野郎より何百倍もましね…。だけど私の可愛い名前が…ぐすん」


両手を頬に当てて「いやいや」と首を左右に振るエリザ。


「彼女がああなってしまった以上何を言っても無駄ですよ、名前」

「ローデリヒさん…。ケーキ、ご馳走様です…」

「えぇ。それより名前。このマフラーの編み方なっていませんよ?もっと編み目を緩くしないと柔らかいマフラーになりません」

「えええ!?マジですか!うわー…せっかくここまで編んだのにー…」

「貸してみなさい。解かなくとも調整できると思いますので」

「ローデさん…なんだか今日はいつもと違って優しいですね」

「私はいつでも優しいつもりですが?そんな事を言っているとケーキを取り上げますよお馬鹿」

「あああ、嘘です!!お願いしますローデさぁああん!!!」


はぁと溜め息をつきながら私の編んでいたマフラーを手に取ると、慣れた手つきで歪んだ部分を直してくれるローデさん。
本当にローデリヒさんは何でもできるよなぁ…。
尊敬します。


「アーサーに差し上げるとか言ってましたけど?」

「あー、はい。出来上がってみないと分かりませんけど」

「そうですか…。まぁ誰にさしあげようが貴方の自由ではありますが…。最近やたらにルートヴィッヒが貴方の事を気にかけていたようでしたので…」

「ルート君が?なんだか嬉しいなぁ。私もルート君の事大好きなんでそう言ってもらえて嬉しいですね」

「まったく…。ほら、直りましたよ」

「ありがとうございます!」

「名前、やっぱりダメよ!!名前は私の名前だものね?ね?」

「エリザ…まだやってたの…」

「お仕事なさいエリザベータ!!」


それからしばらくローデリヒさんに直してもらったマフラーを編み続けた。
家だとギルが居るからなかなか編めないもんねー…。
邪魔されたくないから内緒にしておきたいし。
そろそろ本格的に寒くなってきたから早く編めるといいなぁ…。
よーし、頑張るぞ!





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