「へぇ、この絵寝室に飾る事にしたのか」

「うん。前から壁が寂しいなーって思ってたから」

「それにしても本当に良い絵だよな…。あの二人絵の世界で充分生きていけるな」

「ルート君に聞いたんだけど色んなコンクールで優勝とかしてるんだって。すごいよねー…」


食後にアーサーと一緒に私の寝室に飾られた絵を鑑賞する事にした。
ずっと見てると吸い込まれるような感覚に襲われる。


「ん、そろそろ遅いし帰るよ。今日もご馳走様」

「どういたしまして。また明日ー」

「あぁ、それじゃあまたな」


寝室からアーサーが出て行くのを確認して腰掛けていたベッドに寝転がる。
うあー、眠い…。

ギルがお風呂から上がったら私も入らなきゃいけないから今は寝ちゃダメだ。
そろそろ出てくると思うんだけどなぁ…。
あいつほとんどシャワーだけで湯船に浸からないからお風呂の時間短いし。


「おい、上がったぜ」

「あいよー。って、また髪乾かしてないし。また風邪ひくよー?」

「あー?男は黙って自然乾燥だぜ!」

「なにそれ。乾かしてあげるからここ座りなさい」

「んー」


ドライヤーに電源を入れ、ベッドの淵に座っている私の前に腰を下ろしたギルの髪を乾かす。


「髪伸びてきたねー。また切ってあげようか?」

「んー」


髪を乾かされて気持ちいいのか、単に眠いのか私の膝に頭を置くギル。
まだちゃんと乾いていないのですが…。

ぺちんと額を叩いてやれば頬に手を伸ばされ、ぎゅむっと抓られる。


「なぁ。あの絵…嬉しいか?」

「なに、急に」

「別に。流石フェリちゃんとその兄だなーとか思っただけだぜ」

「だよね。まさかの二人が私のために描いてくれるだなんて思ってなかったからすっごく嬉しかったよ」

「へぇー」


おや、またもや不機嫌そうな顔しちゃって…。


「お前…」

「んー?何?」

「今欲しいものとか、あるか?」

「ほしい物?そうだなぁ…マッサージチェア?」

「現実味があるのはやめろよ!!」

「んー…また休みの日にどこかに行きたいかな。ギルと二人で」

「俺と、二人で…?」

「うん。一緒に」


ふわふわと髪を撫でれば「よし」と大きく頷いてにやりと笑った。
何考えてんだろうねぇ、この子は。


「ちょっと本田に電話してくる!!」

「うん?いってらっしゃい」


後で無理矢理聞き出してみようかな。


.


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -