「エリザー!」

「名前っ」


エリザの暮らしているマンション近くのコンビニで待ち合わせをし、、待ち合わせ時間より早めに来たにも関わらず既に待ち構えていたエリザは嬉しそうな顔で私に手を振った。


「ごめんねー、待たせちゃった?」

「全然!私がちょっと早く来すぎちゃっただけですもの。名前が来てくれるのが嬉しくって居てもたってもいられなかったのね」


ふわふわのスカートを揺らして微笑むエリザの笑顔が眩しいです。
あぁ、今の顔写真に撮ってギルに自慢してやりたいぐらいだよ…!!


「名前ちゃんエリザちゃ〜ん!ごめんねぇ、遅れちゃって」

「私は悪くないわ。姉さんがもたもたしてるのが悪いのよ」

「だってナタちゃん歩くの早いから…」


どいーんばいーんと音をたててやってきたライナさんとナターリヤちゃん。
二人とも相変わらずだなぁ…。


「ごめんねー、遅くなっちゃった!!ヨンスに名前ちゃんと一緒に会うって事ばれちゃって一緒についていくって聞かなくてさぁ…。軽くアイアンクローしかけて出てきちゃった!」

「湾ちゃん…」


遅れてやってきた湾ちゃんも加えて女の子だけのメンバーでエリザのマンションへと向かった。
普段男に囲まれることが多いからこうやって女の子だけって新鮮ですっごく楽しいよね。
女の子ならではの会話もあるし、たまにはこうやって皆で集まらないと!


「狭いけどゆっくりしてってね」

「わぁ、エリザの部屋可愛いー!」

「女性の部屋って感じですね!わぁ、スリッパ可愛い!」


シンプルでカントリーなインテリアで統一されたエリザの部屋はまさに女の子の部屋といった雰囲気てとっても可愛い。
適当に辺りに座ってお喋りをしていると、エリザが暖かいコーヒーを淹れてくれた。
流石はアンダンテの看板娘。ここで飲むコーヒーもまた違った味がしてとっても美味しい。


「今日エリザちゃんの家にお泊りするってイヴァンちゃんに言ったらすっごく心配されちゃった」

「あら、どうして?」

「姉さん今まで友達が居なかったのにいきなり外泊なんて大丈夫?って何度も聞かれたのよ〜」

「い、イヴァン…。なんて事を聞いているんだ…」

「兄さんったら…私には何も聞いてこなかったのに…まったく兄さんはツンデレね。そんな所も可愛いわぁああッ!!!」

「本当にナターリヤちゃんはお兄さんの事が好きだよね〜。あーあー。私も恋したいなぁ…」

「湾ちゃんは好きな人いないの?」

「うん、二次元になら嫁はいるんだけどねっ」


…湾ちゃん。自重しようか…。

集まったのが夕方だった事もあって、お喋りをしていたらあっという間に日が暮れた。
皆で一緒に夕飯を作って、魚介類たっぷりのパスタとスープにサラダととっても美味しそうな夕食が出来上がった。
皆料理上手だから味も格別で食べて無くなってしまうのが勿体ないぐらいに美味しかった。
ギルにも食べさせてあげたいなぁ…。


「さて、片付けも終わった所で今日のメインイベントにしましょうか!」

「メインイベント…?」


食器類の片づけを終えたところで立ち上がったエリザは寝室へと消えて行き、数分後に大量の衣類を抱えて戻っていた。


「さぁ名前!!約束通りこれぜーんぶ着てみてね!!まずはセーラーからいっちゃおうか!!」

「おおお!?何言ってんのぉおお!?」

「あら、ハロウィンの衣装を私が選ぶって約束したはずよ?着てるところをちゃんと見ないと選べませんもの!」

「なになに、名前ちゃんコスプレするの!?」

「うわぁ〜。この服可愛い…」

「バニー…。この厭らしい服で兄さんを誘惑する気ねこのペッチャパイ!!!」

「しないから!!いや、別に着なくてもいいんじゃない…?っていうかなんでエリザこんなに衣装持ってるの…」

「禁則事項よ。ええい、湾ちゃんライナちゃん名前の腕をガードしちゃって!!」

「アイアイサー!」

「ごめんねぇ名前ちゃん」

「えええ!?」

「ふふふ…逃がさないわよ名前。今日ここでやっと私の念願が果たせるのね…。さぁ、セーラー服からいきましょうか?」

「ぎゃぁあああ!!!」


着ていた服のボタンがぷちぷちと外され、抵抗しようと思えば両腕を掴まれ動けない。
目の色を変えて笑っているエリザはあっという間に私に衣装を着せて満足したように笑う。


「きゃー!!名前ちゃん可愛い!!」

「次メイド、メイドもいいわねっ!!」

「個人的に猫とかいいと思う。命令してやりたいわ」

「ふええ…今のが一番可愛いと思うけどなぁ…」

「ちょっと皆私着せ替え人形じゃないんだけど!?」

「あら、名前は私の親友よ?だから私の願い、ちゃんと聞いてくれるわよね?」

「…」


逃げ、られない。

心の奥でギルに助けを叫んでみる物の、届くはずなんてなく結局私は何着もの衣装を着させられる羽目になってしまった。
くっそう…何が楽しいんだよ、私なんかに着せて…!!
上機嫌で用意されたお布団の中に入る皆を見て少し小さくため息が漏れた。

今日はちゃんと眠れるといいけどなぁ…。
あぁ、なんだかすっごく疲れた。


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