「ええ!?10日って耀さんの誕生日だったんですか!?」

「そうあるよ」

「もう何で前もって言ってくれなかったんですか。知ってたら何か用意したのに…」

「この歳で誕生日なんて祝うもんじゃねーあるよ。歳とるだけでなんら変わりはねーある」

「っていうか何歳になったんですか、耀さん」

「企業秘密ある。まぁ我は中国の4000年の歴史を知り尽くしている男あるよ!」


にまにまと笑った耀さん(推定年齢4000歳)。
本当は幾つなんだろう…。


「だけどいつもお世話になってるんですし何かプレゼントしたいですよ。欲しい物とかないんですか?私ができる事ならなんでもしますよ」

「そーあるな…。お前が我の事をにーにって呼んでくれたらそれだけで充分あるぅー」

「いやです」

「あいやぁあああ!!お前今なんでもするて言ったじゃねーあるかぁあ!!」

「いや、それはなんとなく嫌なんでパスで」

「酷いあるなお前…」


悲しそうな顔をした耀さん。
弟や妹分のヨンス君や湾ちゃんに呼んでもらえばいいのに…。


「じゃあ肩叩くよろし」

「そんなのでいいんですか?」

「たまには物より真心ある」


私に背中を向けた耀さんの肩に手を当ててトントンとリズミカルに肩を叩くと「あいやぁ〜」と幸せそうな声を出した耀さん。
こんなものでいいのかなぁ…。


「ただいまなんだぜ兄貴!!」

「あ、ヨンス君。今学校から帰ってきたの?」

「ん?なんで名前が兄貴の肩を叩いてるんだぜ?」


制服姿で現れたヨンス君が不思議そうな顔をして私と耀さんを見つめた。
「アハハ」と笑って誤魔化すとにまりと笑って私の背後へと回る。


「じゃあ俺は名前の肩を揉んでやるんだぜ!!」

「いや、遠慮しておく。なんか嫌な予感するから」

「そんな事ないんだぜ!!俺はテクニシャンなんだぜ?」

「知らないよそんな事!!」

「良いから大人しく揉ませるんだぜ!!」

「あいやぁああ!!後で何やってるあるかヨンス!!」

「名前のおっぱいは俺のも、」


ガコンと低い音が鳴り響いて私の肩にあったヨンス君の手が姿を消した。
音のした方向へ振り返ってみると、中華鍋片手に立っている香君の姿が。

も、もしかしてそれでヨンス君殴ったの…?
こ、怖いよこの子…。
少し怯えていると、耀さんが「あいつは兄弟達の中で一番躊躇ねーやつあるよ」と呟いた。
耀さんも大変だなぁ…。




――――



「えーっと、パジャマと歯ブラシと下着と…こんなところかなぁ」

「明日の準備か?」

「うん!いよいよ明日はエリザの家にお泊りだからねー。エリザのお仕事が終わるのが夕方だからそれまで家の用事をすませて…あとギルの夕食と明日の朝食あたり用意しておかないとね」

「俺様お留守番楽しみすぎるぜ!!」

「どうせ夜中にR指定つきのDVDでも見るんでしょう。私がいな居ないからって自由気ままにやってるんじゃないよ」

「わーってるっの」


そう言いながら自分の持っているゲームを眺めながら「やっぱり本田に…」なんてつぶやいていた。
…本田さんと夜遅くまでゲームする気だな…。
まぁたまにはいいか。

小さくため息をついてギルの頭を撫でてやつと怯えた様子で「臣前に優しくされるとこえーんだよ」と変な目で見られたので一発殴り飛ばしておいた。
あーあ、早く明日が来ないかなぁ。


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