「ハロウィーンパーティー?」

「えぇ!毎年アンダンテでやってるの。ハロウィーンって言っても仮装して皆で料理を食べるだけなんだけどね」

「へぇー楽しそう!!」

「良かったら是非参加してね!一応他の皆にも声はかけてあるんだけど…」

「皆一緒に楽しめるといいねー。だけど仮装かぁ…。何を着ればいいんだろう」

「それなら私に任せて!!名前に着せたい衣装が沢山あるのよ!!」

「え…」


な、なんかエリザの目が急に輝き始めたような…。


「名前なら魔女っ子…むしろ何かのアニメでも可愛いわね。セーラー…いや、メイドも捨てがたい…」

「あの、エリザさん…?」

「名前、こんど私の家に来ない?色々着せて試してみたいなぁ〜。あ、そうだ!前みたいに女の子だけで集まるってのはどう?なんなら泊まってもいいのよ!」

「うーん…だけどうちにはギルが…」

「あんなやつ放っておけばいいのよ。私だってたまには名前を独占したいもの」


拗ねたように頬を膨らませたエリザ。
その姿がなんだか子供みたいでからかうように人差し指で頬を突付くと「なによー」と仕返しに額をぺちんと叩かれた。


「まぁ一日ぐらい一人にさせたって大丈夫だよね」

「ほんとに!?じゃあ早速日取りを決めましょう!!」

「ちょっと待ってねー湾ちゃんとライナさんとナタちゃんにも予定聞いてみるから」

「えぇ!!すっごく楽しみだわ!!」

「そうだね」




――――



「そういうわけでね、今週の土曜にエリザの家にお泊りに行ってきます」

「はぁああ!?」


冷蔵庫からビールを取り出すギルにぽつりと呟くと右手に持っていたビール缶を地面に落とした。
あーあ…


「何やってんのー」

「おまっ、エリザん家泊まりに行くって…なんでそんな急なんだよ!?」

「みんなの予定が合うのが土曜しかないんだよ。ちゃんとご飯も作ってから行くし別にいいでしょ?それともギルちゃんは一人じゃお留守番できない?」

「あ、アフォか!!一日ぐらいお前が居ない方が気が楽だぜ」


ケセセと笑ったギルは拾った缶のブルタブを開けて飛び出た泡に「ぎゃー!」と叫んだ。
…馬鹿だろ…。


「そういえばこれ、アルフレッドが今日持って来たぜ」

「アルフレッド君?なんだろう…」


カウンターの上に置かれた冊子のような物を手に取るとそこには”学園祭”の文字が。
うわ、これってもしかして大学の学園祭の…!?
そっかぁ、もうそんな時季だもんね。
日付は24日と25日…来週末だね。
約束してたからちゃんと見に行かないとね、アルフレッド君とマシュー君達が作った映画!

夕食を食べに来たアーサーに学園祭のパンフレットを見せると「俺は貰ってない…」と呟いて膝を抱えた。
アルフレッド君…来て欲しくないのは分かるけど一応お兄さんなんだからさ…。
アーサーの肩を叩いて「一緒に見に行こうね」と慰めると「お、お前がそこまで言うなら一緒に行ってやるよ…」とデレられた。
ったく、面倒くさい眉毛だなぁ。


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