「ズドラーストヴィチェ。暇だったから遊びに来たよ〜」 「いらっしゃいイヴァン!今日は一人?」 「うん。たまには一人にならないとさ…色々疲れるから…」 「イヴァン…今日はゆっくりしてってね」 「ありがとう名前。僕名前のそういう優しい所好きだな」 「私もイヴァン大好きだよー」 嬉しそうに笑うイヴァンからお土産のロシアケーキを受け取り、ちょうど時間もおやつ時だったのでティータイムにする事にした。 「この紅茶美味しいね」 「そう?紅茶はいつもアーサーが淹れてくれるものだからさぁ。ここにある紅茶もアーサーが買ってきたものばかりなんだよね。安いの買ってくるとめちゃくちゃ怒るんだよあいつ」 「アーサー君らしいね。彼は今日お休みじゃないのかな?」 「みたいだねー。やっぱり仕事できる人は違うよー」 「名前も充分凄いとおもうけどな…。そういえばギルベルト君が居ないね。でかけてるの?」 「本田さん家にね。締め切り明けで本田さんがぶっ倒れたまま死んでないか見てくるって行ったっきり戻ってこないから…多分二人でゲームでもしてるんでしょ」 「仲いいよね、あの二人。羨ましいなぁ」 「あれ、私じゃ不満?私はイヴァンと二人でまったりできて嬉しいんだけどなぁ」 「本当に…?」 「うん。本当に」 「嬉しい…ありがとう、名前」 ふにふにとした頬を緩ませるイヴァンに「お礼を言われるような事じゃないよ」と返すと、その大きな手が私の頬に触れた。 冷たい手だなぁ。 「イヴァンって手ぇ冷たいんだねー」 「うん」 「じゃあ心は温かいって事だ」 「なにそれ?」 「昔誰かに聞いた事あるんだー。手が冷たい人は心が温かいって」 「名前の手は暖かいね」 「…何が言いたいんだイヴァン」 「ふふふ。冗談だよ。名前はずっとポカポカしてるから。ふわふわ暖かくて、大好きだなぁ。もしかすると僕の手が冷たいのは名前と手を繋ぐ為なのかもしれないね…。ほら、こうやって手を重ねると丁度いい」 可愛い事言うなぁイヴァンは。 ぎゅっと私の手を握るイヴァンの柔らかい手を握り返して微笑む。 確かにちょうどいいや。 イヴァンと二人でほのぼのとしている所でぐったりと疲れたギルが倒れこむように帰ってきた。 どうやら本田さんに家の片付けの手伝いをさせられたらしい。 夜はイヴァンと三人で夕食を食べているところを、迎えに来てくれてたトーリス君の車に同乗してきたナターリヤちゃんの強制的に連れ帰られてしまった。 頑張れ、イヴァン…!! 私も明日の夜はアーサーのパーティーの付き添いしなきゃいけないしちゃんと心の準備しておかないとね…!! . ←|→ |