「頼む!!お前しか頼めるやつ居ないんだ…!」

「なんか前にも同じような台詞聞いたような気がするんだけど…」

「う…わ、悪かったな…お前しか友達居なくて…」


落ち込んだように俯くアーサーが何故だかとっても不憫に見えた。


「だからって言ってもねぇ…パーティーって会社のお偉いさんとか来るんでしょ?」

「まぁな…だけどどうしても女性のパートナーを連れて来いって言われて、だな…」

「それで私を…ですか」


今度行われる会社のパーティーの付き添いに私についてきてほしいとの事…。
女性同伴じゃないといけないなんて面倒くさい会社だなぁ…。
それで私についてきてほしいとの事でして…。
なんか前にもこんな事あったきがするなぁ。


「頼む!!このとうりだ!!」

「ああもう、アーサーに頼まれた断れないじゃん!!色々助けてもらってるわけだし…。だけどなぁ…私マナーとかよくわかんないしアーサーに迷惑掛けるかもしれないよ?」

「その辺は大丈夫だろ、お前なら。ドレスとか無いなら俺が買ってやるから、さ」

「ドレスは前にアーサーが買ってくれてやつがあるよ。あのお高いブランドの…」

「それでいいのかよ…」


うーん、私なんかが一緒に行ってもいいのかな…アーサーに恥だけはかかせないようにしないと!!


「うん、分かった。なんとか乗り切ってみせるよ!!」

「ありがとな。お礼になんか奢るから」

「いいよそんなの」

「奢らせろよ馬鹿。そうだ、お前あのホテルのケーキが食べたいとか言ってたよな?こ、今度ディナーに連れてってやるよ…」

「え、いいの!?アーサー太っ腹ぁああ!!」

「ま、まぁそれぐらい別にいいけどな…」


カフェのコーヒー代をアーサーが払ってくれて、いつもより少し遅めの岐路についた。
ギル怒ってるかなぁ…。
まぁアーサーと一緒なんだし大丈夫だよね。
それにしてもアーサーのパーティーのつきそいなんて…やっぱりアルフレッド君のお父さんとか来るのかなぁ…。
きっとアーサーの上司の人たちも来るんだろう礼儀正しくしておかないとね。


「ギルーただいまー」

「おせーんだよ!!」

「いいじゃんちょっとぐらい。アーサーと一緒だったんだし大丈夫だよ」

「ったく…。晩飯早く作れよな。はらぺこで死にそうだぜ!!」

「はいはい」


三人で一緒に帰るってのも楽しいなぁ。
昨日はアルフレッド君と三人一緒だったしね。
家に帰って、夕飯の準備をしながらアーサーにパーティーでのマナーなんかを口頭で教えてもらった。
「何の話だ」と不思議そうに首をかしげるギルに事の説明をすると眉間に皺を寄せて機嫌を悪くしてしまった。
またこの子は…。
だけど今回は色々お世話になったアーサーへの恩返しと思って頑張らないとね。
私いつもアーサーに助けてられてばっかりだから、こんな時ぐらい役に立ちたいもん。
ギルの頭をポンポンと撫でて苦笑いを浮かべると、むすっとした表情で頬を抓られた。



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