「やっほールート君!!ルート君も来てたんだね〜」

「あぁ。ローデリヒと引越しやらなんやらの話があってな…」

「そっかぁ。ローデさんルート君と一緒にシェアする事に決めたんだったね。なんか勢いであんな事になっちゃったけど本当に大丈夫…?」

「まぁ…初めの内はお互い不便な事は多いだろうがなんとかなるだろう」


アンダンテで本片手にコーヒーを飲んでいたルートヴィッヒ君は私の姿を確認すると少し微笑んで読みかけだった本を閉じた。
ローデリヒさんと一緒にルームシェアをする事になったルート君なんだけど…
プッシュしておいてなんだけど上手くやっていけるのかなぁ。
まぁこの二人って几帳面な所とかなんとなく似てるし気が合わないことはないと思うんだけどね…


「ローデさんのお引越しは何時なの?私も手伝いに行きたいなー」

「20日だ。業者に頼んであるから手伝うような事はほとんどないと思うが…」

「じゃあお引越しパーティーしよう!!ルート君のマンションに行ってみたかったんだー私」

「そ、そうか…。お前がそこまで言うなら…」

「やった!!それじゃあギル連れて沢山ビール買って持っていくね!!」

「あぁ」


ふふふ。20日は皆で楽しくパーティーだ!
何か作って持っていくのもいいよね。
ルート君とこうやって色々お喋りできるのが楽しくってつい時間を忘れて話しこんでしまった。
前みたいにギルとアーサーが玄関で仁王立ちしてたら嫌だなぁ…。
あ、でもアーサー今日は帰りが遅いとか言ってたっけ。
遅くなったから家まで送っていくと言ってきかないルート君と一緒に家に帰ることにした。
ついでに夕食も一緒に食べることになって、ルート君が大好きな私としては願ったり叶ったりである。


「ただいまー」

「テメェエ!!何度言ったらわかんだよ!!遅くなる時は電話の一本ぐらい…って、ルート!?」

「グーテンアーベント、兄さん」

「なんでルッツと一緒なんだよ!?」

「アンダンテで一緒になってね。遅くなったから送ってくれたんだ〜。ついでに晩ご飯を一緒にって」

「悪いな、遅くに来てしまって…」

「別に構わねーけどよぉ…」


少し口を尖がらせたギルは手招きしてルート君をソファーに座らせた。


「ピヨッ」

「な、なんだこの鳥は…!!」

「あ?こいつはピヨちゃんだぜ!!」

「ピヨちゃん…?」

「俺様のペットだ!!どうだ、かっこいいだろ!?」

「そういえば兄さんは昔からよく小動物に懐かれていたな…」

「お前だって動物好きじゃねーか」

「あぁ。今マンションで犬三匹を飼っている」

「マジで!?もしかしてあの時の子犬かよ!?」

「あぁ。皆大きくなってたくましく育っているぞ」

「そうか、あんなに小さかったのになぁー…月日がたつのは早いぜ!!」


うん、動物好きなのは血筋なんだねー。
というかルート君犬三匹も飼ってるんだ…!!
いいなぁ、ルート君と犬ってなんだか可愛い組み合わせだよね。
兄弟二人で他愛の無い会話をはずませている間に手早く夕食の支度をすませ、ルート君に手伝ってもらいながらテーブルの上に料理を並べた。


「お味はどうかな…?」

「うん、美味いな」

「マジですか…!!良かった〜!!沢山あるからどんどん食べてね」

「兄さんは毎日こんな料理を食べさせてもらっているのか…。幸せものだな」

「でしょー?なのにありがたみってもんが全く分かってないんだよこいつ。昨日も勝手に私の下着漁るし」

「なっ…したっ…!?」

「ちがっ、変な事言ってんじゃねーよアホ!!」

「兄さん…軽蔑するぞ」

「そんな目でみるな!!誰がこんなペチャパイの下着好んで見るかよ。たまたまだ、たまたま!!」

「もう一度ベランダに行きたい?」

「ごめんなさい」

「ベランダ…?」

「こいつ俺様をベランダに干しやがるんだぜ!?DVだぜDV!!」

「いや、兄さんはそれぐらいしないときかないからな…むしろどんどん躾けしなおしてやってくれ」

「承知した」

「ルッツゥウウウウ!?」


うん、ルート君は本当にいい子だなぁ〜!!
夕食が終わるとお皿洗いまで手伝ってくれたルート君は、「これからも兄さんをよろしく頼む。何か困ったことがあったらいつでも言ってくれ」と言ってくれた。
頼りになるなぁルート君。
名残惜しくもルート君が帰っていくのをギルと二人でベランダから見送った。


「ルートヴィッヒの野郎…いいたい放題いいやがって」

「兄貴がちゃらんぽらんだと弟はしっかりするもんだよねぇ。ルート君はしっかりしてるしかっこいいし」

「いやいやかっこよさでは俺様の方が上だぜ!!まぁあいつもかっこいいけどな!!」

「はいはい。さてと、冷えてきたしお風呂にでも入ってさっさと寝よう。結局昨日は毛布出してあげられなかったねー。今から出すの面倒臭いし今晩も我慢してね」

「マジかよ…。マジで寒すぎるぜ」

「じゃあ一緒に寝る?」

「え…いや…それは…」

「何今更恥ずかしがってんだかこの子はー。何度も一緒に寝てるでしょーが」

「べべべ別に恥ずかしがってなんかねーし!?お前なんかと一緒に寝るぐらいなら床で寝たほうがまだましだっつの!!」

「そうか。それじゃあ床で寝るといいよ。ベランダの」

「ちょっ、お前何鍵しめて…おいこら開けろ!!!また俺様ベランダに放置かこのやろぉおお!!」

「さーてお風呂お風呂!」

「待て、行くな!!謝る、謝るって!!一緒に寝てくださいお願いしますぅうううう!!!」

「やーなこったー」

「こんのアマァアアア!!」





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