「ドーブリヴェーチェル!遊びに来たよ、ギルベルト君」

「帰れぇえええええ!!!」


勢いよく閉めようとされたドアはやつの水道管によって阻まれた。


「ふふふ。今日はね、姉さんとナターリヤも一緒なんだー」

「こ、こんにちは…ギルベルト君」

「よし!!ゆっくりしていけ!!!」

「わぁ、凄い変わり身の早さだよね。姉さんを連れてきて良かったなぁ〜」

「イヴァンちゃん…お姉ちゃんまだお仕事が…」

「いいじゃない、たまには兄弟の仲を深めようよ」

「うぇええ〜…」


涙目になるイヴァンの姉貴のおっぱいは犯罪級だぜ。
っていうか何食ったらあんなにでかくなんだ?
あー、挟まれてぇ。色々と。


「名前は仕事で居ないんだよね。残念だなぁ」

「名前ちゃんとお喋りしたかったなぁ…」

「ふん。あんなメスブタ今度会った時は八つ裂きにしてくれるわっ!!!兄さんに触れていいのは私だけよ!!」

「なっ、ナタ…苦しいよ…」

「な、ナタちゃんやめてよ〜!!」

「騒がしい兄弟だな」

「うん…ちょっとね」


あのイヴァンが圧されてやがる。
流石のこいつも姉貴と妹には叶わなねーって事か。


「そういえばギルベルト君。最近何か変わった事はない?」

「お前は面談中の教師か?別にいつも通り、変わった事なんてねーよ」

「そうかなぁ。だったらいいんだけどね」


んだよその含み笑いは。
本当に読めねーやつだぜ、イヴァン。
それからもうだうだと他愛のない会話を続けたり、イヴァンの妹の”兄さん好き好き愛してる”演説を約2時間程度聞かされた。
っていうかこいつら何しに来たんだ?


「ただいまー。って、あれ?お客さん来てるのー?」

「名前ー!お帰り〜」

「イヴァン!!来てたんだねー!ただいま帰りました」

「名前の帰りを待ってたんだよ。お仕事お疲れ様」

「ありがとう」


名前が帰ってくるなり玄関に走っていったイヴァン。
ちくしょう、なんだよあの嬉しそうな顔は。
続いて玄関に向かったイヴァンの妹がイヴァンを肩に担いで「兄さんは私のものよ!!貴方になんか用は無いわァアア!!」と叫んで玄関から外に出た。


「ま、まってよ二人とも〜!!お姉ちゃんを置いて行かないで〜!!」

「相変わらずだなぁ、ここの兄弟は」

「名前ちゃんごめんね、またゆっくり遊びに来るから…!!ギルベルト君も今日はありがとう」

「いいのいいの。またね、ライナさん」

「うん…!それじゃあお邪魔しました〜!」


涙目になって小走りで帰っていくイヴァンの姉貴を見て名前は「イヴァンも大変だなぁ」と苦笑いを浮かべた。
本当、同情するぜイヴァン。


「今日の晩ご飯はクリームシチューだよー。アーサーのリクエストで」

「はぁ?なんであいつのリクエストなんだよ」

「毎日メニューを考えるこっちの身にもなりなさい。文句があるなら食べなくてけっこう」


そう言い放って自室に入る名前。
別に俺はビールと芋があればどうだっていいのによ。
でもまぁあいつの料理も最近ましになってきたよな!!
たまにフランシスに教わってるみてーだし。
あいつ変態だけど料理の腕だけは認めるぜ。

キッチンに立って料理をしているあいつを横目で見ながらテレビを見る。
この時間ってなんかすげぇ幸せなんだよな。本人にはぜってー言ってやんねーけど。
アーサーのリクエストってのも気にくわねーけどクリームシチューもすげぇ美味かった。
幸せそうに食ってる眉毛にむかついて机の下から攻撃をしたら3倍返しにされた。
いつかぜってー泣かす…!!





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