長いお盆休みも明けて約10日ぶりの職場。
相変わらず元気の元気な姿を見せてくれた友人二人にホッとしつつ里帰りでどんな事があっただとかお土産を交換して会話に花を咲かせた。


「おめぇら、喋んのもええけっども手も動がせっぺー」

「はーい。あ、そういえばデンさんは休暇中帰国したんですか?」

「おう!かかぁに嫁連れてけーってこいってしごかれたっぺ!!」

「アハハ…デンさんのお母さんって強そうですよね…」

「あぁ、だから今度はおめ連れてかえってやっぺ。正月休みにどーだ?」

「何勝手に計画たててんすか。てか行きませんよ。ノルさんに嫁役頼めばいいんじゃないですか」

「あんこの嫁…!?」

「ちょっとノルさーん。そんなあからさまに嫌な顔しなくても…」

「ハッハッハ!!二人とも照れんでもえがっぺ!!」

「おめぇにだけは名前はやんねぇ…」

「んだ?やんのかベール」

「おひゃぁああああ!!!休み明け早々喧嘩しないでくださいよ二人ともぉおおお!!名前さっ、名前さんも二人を止めてください!!」

「ノルさーん、この写真のデータってノルさん持ってましたっけ?」

「持ってんべ」

「って無視しないでくださいよ名前さぁああああん!!あぁっ!!先日買ったばかりのコピー機が喧嘩の被害にぃいいいい!!」



―――




「たっだいまー!!久しぶりの仕事で疲れちゃったよー」

「お帰りなさい名前さん。お邪魔しています」

「本田さん。先日はお疲れ様でした」

「いやぁ、海に行った次の日からは二日連続夏コミに参加していたのですが死ぬかと思いましたよ。もう萌えの心だけで体が動いていました」

「若くないんですから程ほどにしてくださいよ!!」

「お陰様で大収穫でしたよ」


家に帰るなりリビングでアニメのDVDを見ていたギルと本田さん。
この人は相変わらずだよなぁ…。


「ほら、これ本田から貰った。海行った時の写真」

「皆さんにもお配りしようかと思いまして。綺麗に撮れているでしょう?」

「ほんとだー……って、本田さん…なんつーきわどいアングルで撮ってんですかあんたは…」

「うほっ!!」

「私は悪くありません、この手がおいたをしちゃっただけなんです」

「自重しろ」


写真を一枚ずつ確認していくと明らかに際どいエリザの胸の写真が…。
このエロ爺なにやってんのぉおおお!?
しかも他の写真を確認してみたら私の水着やらお腹やら太ももばっかだし!!
マジで自重しろよ本田ァアアア!!


「本田さん…これ警察に持っていけば完全に捕まりますよ…」

「名前さんはおやさしい方ですからそんな事しませんよね」

「…」

「え、ちょっとなんで黙るんですか!!それはけは!!それだけはやめてください!!私の漫画家生命を奪わないでぇえええ!!」

「人の際どい写真撮っておいて何言ってんだよあんた。これは私が没収しますから。ほら、データも持ってるんでしょ。よこしなさい」

「ひっ酷いですよ名前さん!!私が夏コミにも行かず炎天下の中衰えた体を必死に動かしカメラにおさめた写真を取り上げるなんて…!!これがなかったら私はこの先どうやって生きていけと言うのですかぁあああ!!」

「水着写真が無かったら生きていけないというならいっそ死んでこい」

「はうう!!らめぇええ!!ちょっ、名前さんその冷たい目線いいですっ!!今私背筋がゾクゾクしましたよぉおお!!もう一回!!ワンモア名前さん!!」

「さーて夕食の支度しなくっちゃ」

「芋食いたいぜ」

「喜べ、今日は肉じゃがだ」

「肉じゃが名前さん萌えぇえええええ!!ハァハァハァ」


本田さんの病気は死なないと治らないものなのだろうか。

その後疲れきった顔をして帰ってきたアーサーを含む四人で夕食を食べた。
やけにギルがアーサーに突っかかってたような気がするけど…。
まぁいつもの事だし放っておこう。
今日は久しぶりの仕事でなんだか体が訛っちゃってるような気がしたなぁ。
仕事も思ったより上手く進まなかったし。
これが休みボケと言うものか…。
明日からは気合を入れなおして頑張らないとね!
あとティノ君からお土産にもらったお菓子を本田さんとアーサーにおすそ分けしてあげた。
私はスーさんに止められたから食べないけどね。
後日どんな反応が返ってくるのか楽しみだ。


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