本日は土曜日で仕事もお休み。
という事で普段おろそかになりがちな部屋の掃除を徹底的にやってしまいたいと思います。
一応ギルにいつも掃除機はかけてもらってるけど、適当にやるもんだから隅っこの方には埃だとかゴミだとかが堪っちゃってるんだよね。
もうすぐお盆で帰省しちゃうし早めに大掃除を終わらせておこう!


「はいギル、雑巾。ギルは床の上を綺麗に拭いてね。大まかなゴミは掃除機で吸い取ってね。一つでも残したらぶっ殺す」

「なんだよそれ!?そういうお前は何すんだよ」

「私?私はお風呂場の掃除と自分の部屋の掃除と…あとギルが溜め込んでるジャンプをリサイクルに回してー…」

「ちょっ、待てぇえええ!!あれはゴミじゃねぇえ!!あとで好きな記事だけ切り抜くんだから捨てるなよ!?」

「面倒くさがりなくせに何マメな事やろうとしてんの。いいから捨てなさい」

「嫌だ!!ぜったい捨てねー!!」

「分かってる…分かってるよ、ギル…。本当は収納の中に溜め込んであるジャンプの山の奥に隠してあるエロ本が見つかっちゃうのが嫌なんでしょ?巨乳ドMっ子娘特集のエロ本が見つかるのが嫌なんだよね?大丈夫、あれは捨てないでおいてあげるからさ…」

「ぎゃぁあああ!!なんでお前それ知って…っていうかそんな遠い目で俺を見るなよぉおお!!!」

「大丈夫、母さんあんたがそういうお年頃だって事ちゃんと分かってるからね。でも父さんに見つかると面倒だからちゃんと隠しておくんだよ…」

「なんで母親演じてんだよ!?つか親父って誰だ!?」

「んー、アーサー?」

「ちょっ、冗談でもやめろ。あんなのが親父なんて認めねーからな俺は!!」

「じゃあ私が親父で文句ないだろう!?」

「なんでそーなんだよ!?」

「ああもう、話が脱線しちゃったじゃん!!ともかくジャンプは捨てる事!!エロ本は隠す!!以上!!」


さぁて、私はお風呂のカビ落としでもしようかな!!
扉のゴムの部分にカビが生えちゃっててなかなか落ちないんだよねぇ…。
この間本田さんに強力な洗剤もらったからアレ使って試してみよう。


「おい名前ー。この箱もう捨ててもいいだろ?」

「んー?あぁ、捨ててもいいよ。可愛い箱だったから何かに使えるかと思ってとっといたけど何の役にも立たなかったんだよねー」

「そうやって空き瓶とかせんべいの缶とか溜める奴居るよな」

「アハハー。うちのお婆ちゃんだ」

「マジかよ。もしかして倉庫に瓶とか並べてあったのって婆ちゃんが溜めてるやつかよ!?」

「そうそう。いずれリサイクルに出すよーって言ってもう何年もあそこに放置してあるんだよねーアッハッハ!とか言って私も実家の倉庫には捨てられない物とか詰め込んでるんだけどね」

「血筋だな…」

「血筋だよねー」


ふふふ、こうやってお喋りしながら掃除するのも楽しいもんだなぁ。


―ピンポーン


「ん、お客さんだ。ギルーちょっと出てきて」

「ったく…めんどくせー」

「いいからいいから」


ダルそうに重い腰を上げたギルはダラダラと歩いて玄関に向かった。
しばらくして玄関から聞えてきたギルの嬉しそうな声から察するに大方本田さんあたりだろう。


「こんにちは、名前さん。ネタの徴収にやって来た本田菊です」

「そうですかそれではお帰りください」

「いやですねぇ名前さん。お客さんを直ぐに返そうとするだなんて、私はそんな娘に育てた覚えはありませんよ?」

「家族ネタは今さっきやりましたからもういいです。っていうか昨晩お酒飲んで帰ってきてさっそくネタ集めなんて元気ですねぇ本田さん。ジジイのくせに」

「萌えのためなら紐無しバンジーもやってのけるジジイですからね、私は」

「本田さんのそういう無駄な根性、尊敬します」

「ありがとうございます。さて、私もお掃除のお手伝いをいたしましょうか」

「え、手伝ってくれるんですか!?」

「えぇ。お礼は名前さん手作りのオムライスで結構ですよ。もちろんケチャップ文字サービス付きです」

「ここはメイド喫茶じゃねーぞ。まぁいいや、ありがとうございまーす」


本田さんにも掃除を手伝ってもらったお蔭で掃除も早く終わらせる事ができた。
今日の夕食はオムライスに決定だな。
普段お世話になっている本田さんの為に”ラブ本田(ハート)”とでもオムライスの上にケチャップ文字を浮かばせてやろう。
黄色いその卵の上に乗せられた文字をポカンと見つめた本田さんは涙ながらに「娘が!!私の娘が私のためにこんなっ!!私にはこれを食べる事はできませんんんん!!」と悶絶しつつもシャッターをきった。
俺にも何か書いてくれと催促するギルが鬱陶しかったので卵の上に”エロ本バカ”と赤い字を浮かばせてやると、「…ちくしょう」と目じりに涙を溜めていた。
いいからお前らちゃんと食えよな。
休日出勤してるアーサーが帰ってきたらオムライスの上に”ブラコン紳士”と書いてお隣まで届けてやろう。
どんな反応が返ってくるか楽しみだなぁ。


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